LisaKawato

アバウト・レイ 16歳の決断のLisaKawatoのネタバレレビュー・内容・結末

アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2年ほど観たいとは思っていたが観ていなかった。
漠然と、性同一性障害をテーマとした作品で、エルファニングがその役をうまく演じている、というような思い込みでいた。最近の社会の関心の高まりからテーマとして選ばれたくらいの気持ちでいたので、その難しさが描かれているのだろう、となんとなくわかったような気になり、観るのを後回しにしていたんだと思う。
しかし実際見始めると、性同一性障害の苦悩というよりも、親子の関係の難しさという永遠のテーマが強く描かれていたように思う。それがよりリアルな差し迫った問題として感じられたのは、娘が性同一性障害だったからで、母が男に奔放に生きていたからで、祖母がレズビアンだったから、つまりそれぞれが人生において絶対に譲ることのできない(愛情の)価値観を強く持っていたからだと思う。だから逃れようがなく、お互いを理解するのが難しく、衝突してしまう、そういう姿を強く描けていたのかなと思った。当然のことだが、育ての親を愛していても、愛し方は親と同じではないのだ、ということを改めて感じた。
エルファニングの演技がハマっていて目が離せなかった。祖母と恋人の2人の衣装や振る舞いの雰囲気がなんだかすごくよかった。
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