ある1人の女性がネウストリア公国大使館の裏通りで、車にはねられ亡くなるという交通死亡事故が起きる。
被害者の女性の名前は三城紗江子、職業はパーティコンパニオンだ。
この交通事故を担当するのは東京地検城西支部の久利生。
しかし、この被害者女性は別件で重要な証人でもあったのだ。
その事件とは、大阪で起きた暴力団・二崎(おとさき)組絡みの恐喝事件。
そして、この事件を担当していたのは大阪地検難波支部の雨宮だった。
2人は8年ぶりに雨宮と再開し、合同捜査を行うことになる。
単純な交通事故に思えた今回の事件だったが、調査を進めるうちにひっかかる点が浮上してきた。
事故の当日、被害者女性とネウストリア人と思われる外国人男性との接触があったことが判明し
大阪の恐喝事件で重要な証人でもあったことから、口封じのために消されたという可能性もあったのだ。
大使館と言う治外法権へも捜査をあきらめない久利生に外務省からの圧力がかかる。
そして、ついに何者かが運転するダンプカーに久利生が追突されるという事態にまで発展してしまった。
幸い軽症で済んだ久利生だったが、それでも捜査をあきらめることはなかった。
そんな久利生の姿に、最初逃げ越しだった城西支部のメンバーの心が動き始める。
そして、城西支部メンバーと雨宮、一丸となっての捜査が始まった。
懸命な捜査の結果、徐々に事件の概要が明らかになり始めた。
久利生に追突したダンプカーを運転していたのは、やはり二崎組の組員であった。
そして、組にネウストリア公国から違法薬物が流れているという説が浮上してきたのだ。
交通事故被害者の三城紗江子が事故当日に接触していたネウストリア人の身元も判明。
その人物はネウストリア公国大使館の関係者であるコールマンだった。
以上のことから、三城紗江子は偶然の交通事故ではなく、
ネウストリア公国と二崎組の薬物をめぐる件で殺害された可能性が非常に高くなってきたのだった。
それが、検事・久利生公平の検事という仕事に対する姿勢であった。
今回、事件の捜査と並行して、久利生と雨宮の微妙な関係は描かれます。
雨宮は弁護士とお見合いをしますが、そのことに対しての久利生は「いいんじゃない?」的な反応。
雨宮の心も穏やかではありません。
麻木から久利生への気持ちを聞かれ、雨宮は久利生のことを、
「好きだった」と過去形で答え、その直後お見合い相手に断りの電話を入れます。
しかし、お見合い相手からの他に好きな人がいるのかという問いに対し、
雨宮はいると答えるのです。
そして、おなじみの並木道でのシーン。
雨宮は、石垣支部に転勤になったということを久利生に告げ、
「私、久利生さんと同じ道を歩みます。」と宣言して、振り返らずに行ってしまいます。
久利生は1度振り返りますが、そのまま雨宮を呼び止めることはありませんでした。