車上生活を送る老婆シェパード。警察から駐車禁止を言い渡された彼女は、劇作家アランのカーポートに強引に住み着く…。ほとんど実話とか。
そんな話なんで、「映画的なエモーション」(もちろん、自分の言葉ではない)には欠けてます。
邦題も、コピーの「英国式シアワセ生活!」というのも、いくらなんでも看板に偽りがありすぎる。
表面的な美にこだわる映画にとって、老いはタブーであって、かつてはメイキャップで老人を表現したり、老人役専門の役者がいたりしたものだ。マギー・スミスのアップを見ながら、そんなことを思い出した。
しかし、老いても彼女(が演じるホームレス)はどこか上品で誇りを失わず、イングリッシュネスを体現している(これも自分の言葉ではない)ようだ。
「あんたは、お母さんをネタにしてる!」
「作家はみんな、やってることだよ」
「次は、あたしをネタにするつもりだろう!」
いや、ホントにネタにしてるし。しかも悲惨極まりない人生を、コメディ要素がありながらもチャッカリ感動ものに仕立て上げてる!
いや、ホントに作家って信用ならない。シェパードさんにちゃんと取材料払ったのか、それともカーポートに住まわせたからチャラなのか?
アラン・ベネット、そういえばモリッシーと交遊があるみたいで、自伝に出てきたな。