路上に停めたオンボロ車で気ままに暮らすミス・シェパードに、自宅の一角を提供した、イギリスを代表する劇作家アラン・ベネット。
彼女の偏屈さに振り回されながらも、15年に及ぶ奇妙な共同生活を続けた二人の実話の物語。
本当に奇妙。奇妙過ぎる生活。
でもそれを作品にした事と、描き方を考えたら、とても深い愛情に溢れた作品だなと思った。彼と彼女じゃなかったら、こうは絶対になってないと思える唯一無二な関係が、憧れはしないけど(笑)とても素敵。
そして、自分の過去を語りたがらず、謎に包まれたミス・シェパードを演じるマギー・スミスが凄くハマり役だったと思う。彼女の入魂ありきの映画だった。
車で路上で暮らすホームレスの悲哀や不幸を、こんなにもユーモラスに見せつつリアリティも感じるのはマギー・スミスだったからだと思う。いい意味で偏らないし、長い人生を感じられた。
観終わった後に、彼女の生涯とは何だったのだろうと、余韻の残る映画です。
ただ、お手本になるかどうかは微妙。笑
日本では考えられないお話でした。
