3.11を主題とする映画、特にドキュメンタリーはおれはあんまりみてなくって、プロパガンダ臭がするなあみたいな先入観もあるんだけど、運動に奉仕する（だけの）映画は別に見たくなくって、脱原発を訴えるんだったらおれはべつに映画館に行かずにデモ行きますよってことで、大した興味がそそられなかったというのはある。
興味があるのはやっぱこれみたいに劇映画として3.11をどうするのか、という試み。そんなもん今までみたこともなかったし（あ、強いて言えば「さようなら」が近いかな）、そしてみてみたらやはり今までにみたこともなかったような映画だった。ホラー映画への近接性を強烈に感じるし、それはつまりホラー映画はもう3.11以降極言すればこの主題を扱うよりほかに存在する術がないということだともいえる。例えばゾンビ映画はとうに批評性を失ってしまったわけだし、放射能でゾンビが蘇るよりももっと恐ろしい事態がやってきてしまったということだ。
