あでゆ

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのあでゆのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

それぞれ異なるパワーを持つインフィニティ・ストーンが六つそろうと、世界を滅ぼせるほどの力が得られるという。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンらアベンジャーズはほかのヒーローたちと共に、インフィニティ・ストーンを手に入れようと企むサノスに立ち向かう。

というあらすじではなく、
それぞれ異なるパワーを持つインフィニティ・ストーンが六つそろうと、世界を滅ぼせるほどの力が得られるという。サノスはこの力を用いて世界を救おうと試みるが、アベンジャーズと名乗る集団によってこれを阻まれる。しかし、その思いの強さを証明するために、インフィニティ・ストーンを奪おうと企むアベンジャーズに立ち向かう。

悪役のベースとしては『GotG Vol.2』のエゴに近いのだけれど、今作はそれよりも数倍サノスを正当化している。それはガモーラを犠牲にする時の苦悩の描き方もそうだし、ラストの哀愁漂う表情や引きの字幕もそう。予想以上に本作はサノスの物語。
一方でそれだけではなく、ヒーロー側にはヒーローの考え方がある。どっかの批評にも書いてあったけど、最後に残されたメンバーは本作で誰かに助けられた側の人間たちで、犠牲によって平和が成り立つというサノスの考え方と、誰も犠牲にしないというヒーローの考え方が二項対立している。もうアベンジャーズの作品にこの手の対立は欠かせない。

アクションシーン見やすいし、話はわかりやすいし、各キャラの交通整理は完璧だし天才の所業というのは間違いない。
特にガーディアンズ勢の扱いは完璧だ。「RUBBERED BANDMAN」がかかった瞬間に手叩いて喜んだ。ガモーラが一緒に歌ってるのも「また時間が経過してる!!」って感じで最高。ノリといい台詞といい、そしてまさかトム・ホランドの古い映画好き設定とクロスオーバーするとは思わなかったし、各キャラクターの作り上げたジグソーピースが1つのフレームにおさまっていく美しさは素晴らしい。
伏線の張り方とかも好きで、ストレンジがタイムストーンあっさり渡したりクイルを止めてないのは、未来が視えてたからなんだろう。まぁだったらその辺消える前に伝えろよとかは思うわけだが。

一方で、正直文句なしに面白かったかと言うとあんまり乗れない部分が多かったのは事実。
割と死んだ人間に関しては、ロキ以外はどうせ生き返るだろという感じであんまり気乗りしなかったのと、なにより『ラグナロク』が意味のない映画になってしまったのが本当に悲しい。途中でソーが「失うものはもう何も無い」って言うんだけど、これは伏線であって欲しいんだよな。彼女とより戻して欲しい。次回作はお願いだからナタリーポートマン復帰して欲しい。
あとピーター・クイルがブチ切れて台無しになったのは本当に萎えた。シビル・ウォーでもやったよね、ウインターソルジャーが洗脳されてるのわかってるくせにスタークがブチ切れたところ。ああいうのはなんだかなあ。
シビル・ウォーの再利用は割りと多くて、ラストのワカンダでの戦闘の突破阻止の構図ってシビル・ウォーの空港戦と同じなんだよなとか思ったり。ご丁寧に境界まで作っちゃって。

最後にニック・フューリーがマザファ...と言残そうとして消えたのはおもしろかった。彼に「マザーファッカー」と言わせたいけれど、言わせてしまうとR18になるというジレンマ。『キングコング』でも同じことやってたよな確か。

どうでもいいけど、本作は殆どの映像がCGだったもんで、もう実写映画ではなくCG映画と考えた方が正しそうだ。アイアンマンのインフレ具合もなかなかにすごかったし、科学とは、質量保存の法則とは。
あでゆ

あでゆ