りゅっくサック

ブラックパンサーのりゅっくサックのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
4.3
「スーツが無ければ、ただのお坊ちゃん」と揶揄され、王としての責務に迷いがあったティチャラが上に立つ人間として成長する話。

同じMCUの王様キャラでもソーとは真逆の迷い方で面白い。
ブラックミュージックを聞きかじった事はあっても、ブラックカルチャーは文化センターで見た覚えがあるくらい。
あんなに魅力的でエネルギーに満ち溢れた文化なんですね。

あと作品の立ち位置的には実質“2”の形式を持つ“1”というのが面白い。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカで最低限の自己紹介は済ませているので
力を得て、悩み、覚悟を決め、ヒーローへ。
スパイダーマンでは見飽きたあの説明フェイズが不要になってるんですね。

ブラックカルチャーに精通したライアン・クーグラー+MCU内で良い意味でズレた立ち位置にいる作品。
この化学反応が「コース料理としてMCUの流れで見てもいいが
単品でもお腹いっぱいになるし、味の方も抜群に美味しい」という評価に繋がってるんじゃないでしょうか。


虐げられる者はどこにでも存在する。
ではそういう人間を生み出さない為には?救う為には?
その答えはこの現代社会にとって一番目を背け続けてきた、一番大切なことかもしれない。

1度目はティチャラ側、2度目はキルモンガー視点で見るのがオススメ。
りゅっくサック

りゅっくサック