しゅんまつもと

キャプテン・マーベルのしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
3.9
以前、会社の同期とヒーロー映画の話になったとき、「最近は多様性とか差別とかを気にして、黒人を主役にしたり、女性を主役にしたりして、気を遣い過ぎてる。」なんてことを言われて、正直反論する気も起こらなかったんだけど、やっぱりそう言う風に思う人もいるんだなぁと思った。
もちろん、意図としてそういう動きが0かと言ったらそうではないとは思うけど、そんなのつまんない考えだなぁと思ってしまう。

まさにそういった考えに対するカウンターがこの映画にはあって、胸がすっきりした。直近の「スパイダーバース」にも通じるもの。
人種が違うから、性別が違うから、周りよりも弱いから能力が与えられて、コスチュームを着てヒーローになる?
そんなわけない。そんなはずがない。
自分自身が元から持ってる本当の強さを誇るときに初めて人はヒーローになれる。
このヒーロー論ってエンドゲーム前に絶対に必要だったピースだと思うんだよね。
だから個人的に、このタイミングでしかもブリーラーソンが主役でこんな映画が撮れたのはかなり奇跡だと思う。全て見越してたならそれは恐ろしい。


一貫して映画は「アイデンティティ」を取り戻すもしくは確立する映画だと思った。「ファインディング・ドリー」とも通じる超普遍的かつ重めのテーマ。それをこのタッチでやってのけて、かつ一定のクオリティを保ってるあたりはもう流石のマーベル。
まぁそこまでいったら仕方ないのかもしんないけど、肝心のアクションシーンが新鮮味なくてつまんなかったかなぁ。キャロルが強すぎるとかそういうことではなく、単純に撮影と編集があんまり面白くない。

さあ、とはいえ泣いても笑っても次で一旦の終わりですね。。。