RIO

アベンジャーズ/エンドゲームのRIOのレビュー・感想・評価

4.0
※まだ本作を未鑑賞の方、新鮮な気持ちで鑑賞したい方は閲覧をご遠慮ください。

アベンジャーズ4作目にして最終章。

これまでの11年間、様々な作品を通して積み重ねてきたMCUの歴史がどのようなフィナーレを迎えるのか?

インフィニティ・ウォーの衝撃から早1年。
期待と興奮を背負い、鑑賞を終えた率直な感想はというと…

面白かった!最高だったし、号泣した!
けど…
何か物足りない…

本作を言い表すとしたら、
今までのMCUの歴史を一緒に振り返ろうの回。
MCUの最終章として観れば、良いかもしれませんが、一本の作品として観ると、映画としてのカタルシスがあまりに少ない。

それが故に、既視感が強すぎて、新鮮さが皆無でした。
ストーリーは斜め上を行くかと思えば、まさかの王道ルートだったし、
後半の大合戦+大集合に関しては、
いやそれ、前にも観たことあるんですけど…
ってなったし、
メインヴィランは誰になるんだろうって考えてたのも束の間、
またサノスかよってなったし、

てか、そもそもサノスがつまらない。

俺が観たかったのは、残虐非道に殺しを楽しむ中身空っぽのバカサノスなんかじゃない!
己の正義論を振りかざし、全てを犠牲にしてでも、狂気の哲学を決して曲げないインフィニティ・ウォーでのサノスが観たかったんだ!

っていうもやもやとした感情がエンドロール中ずっと心の中で渦巻いてました。

前作の衝撃を受けて、今までに観たことのない新しいものを見せてくれるんだろう。
僕たちには到底考えつかないようなルートを辿るんだろう。
という、絶大な期待を寄せていたのですが、
正直、拍子抜けさせられた印象です。
期待しすぎちゃったのかな。

最も腑に落ちなかったのが、サノスの最期。
物量戦により、サノスは敗れ、灰となり消え去りますが、本当にそれで良かったのでしょうか?
それは本当の意味での勝利だったのでしょうか?

力量の差で打ち負かしたところで、その考え方は圧倒的な論理を振りかざすサノスとなんら変わりない。
結局、最後まで、キャップたちは何一つサノスに勝てていないんです。
前作で培った、”ヒーローとしての真の存在意義”を崩壊させるような展開の連続に嫌気がさしました。

最終章としては非常に良いまとめ方だし、絶賛されている理由ももちろん分かるんだけど、
“これじゃない感”が強すぎて、観た後も、感動したし、面白かったのに、なぜか納得できないような不思議な感情が入り混じってました。

批評ばかりになってしまいましたが、トニーに関しては、100点満点。
宇宙からの帰還を果たしたのも束の間、仲間を救うべく、再び戦場へと足を踏み入れるトニー。
心身共にボロボロになりながらも、弟子と再会を果たし、無言でピーターを抱きしめる姿に泣かされました。
そして、ラスト。
自分自身を犠牲にし、静かに息を引き取る彼の顔はあまりにも輝かしく、あまりにも尊い。

アイアンマンから始まったこのシリーズが、彼の死によって幕を閉じるのは、最もふさわしいフィナーレだったなと感じます。

彼が家族に残した、「3000回愛してる」
のメッセージは、まさに映画史に残る名台詞でした。

・キャップが全員集結した時に発した
「アベンジャーズ・アッセンブル」
・ブラック・ウィドウの死
・ソーと母親の再開
などなど、鳥肌が立った・感動したシーンは数え切れないほどあります。

ただ、ソーをデブらせる必要は無かったんじゃないかなー。
前作のソーが最高にカッコよく感じた自分からするとかなり残念でした。

不満な点はたくさんありますが、その分、最高な要素もたくさんあります。

個人的には前作の方が好きですが、それでも十分に楽しめる最高な作品。

今までMCUを追いかけてきて心の底から良かったなと感じます。
トニー、キャップ、ソー、ナターシャ、ブルース、クリント、
11年間お疲れ様でした。

フェイズ4に期待大です!

長文大変失礼しました。


ストーリー  ★★★☆☆
キャラクター ★★★★★
演技     ★★★★★
映像     ★★★★★
演出     ★★★★☆
音楽     ★★★★★
RIO

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