りゅっくサック

アベンジャーズ/エンドゲームのりゅっくサックのレビュー・感想・評価

5.0
インフィニティ・サーガと題された、神秘の石を巡るマーベルシリーズの最終章。
爆発的なヒットを連続するMCUの一端の区切り。

単刀直入に言うと5億点です、0が8個足りないですフィルマークスさん。
これが見たかったんだよ!というシーンのオンパレードから、キャラとファンを暖かく包む幕引きに繋げていました。

ただこれは作品を追い、キャラクターと共に11年間を過ごした、自分の映画史に1つピリオドを打ったオタクだからです。
MCU熱中度に合わせて響く度合いは変わってくると思います。

僕はと言うと感想がまとまらず「最高だった…終わってしまった…でも尊い…」と様々な感情がドボドボと溢れてきます。

ロバート・ダウニー・Jr
藤原啓治
クリス・エヴァンス
中村悠一
敬称略

毎年公開が待ち遠しくなる楽しい11年間でした!
素晴らしく心揺さぶられる作品たちをありがとうございました。
皆さま本当にお疲れ様でした。


「良かったけど、もうちょっと違うのが見たかったんだよ!」というのはごもっとも。
単体で見たら絶対に意味不明、それでもキャスト・ファンへの感謝のフィナーレにはこれしか無かったでしょう。
そして映画史に間違いなく刻まれる、早く見ないとどこでネタバレ食らうか分からない作品、ぜひ公開中にスクリーンで体感してほしい!!
素晴らしかった!!!






-----以降ネタバレ含みます-----















1つの作品でこんなにも感情がめまぐるしく動く作品は初めてだった。
11年この作品群を応援し続けてきたファンは同じ思いなのではないでしょうか。

恐らく“アベンジャーズ第一世代の終わり”と見た人と
“サノスとの壮絶な決着と論破”を期待されていた方で評価が分かれるのかなぁと思います。

インフィニティ・ウォーの感想で「破壊なくして再生なし、どんな再生を見せてくれるのか」と書いたんですが
“破壊込みの現在”を受け入れるとは、自分の浅はかさを痛感します。。。

破壊後の世界でグループセラピーに参加し『現状を受け入れ前に進もう』と励ますスティーブ。
高潔な精神を持った軍人でアベンジャーズをまとめ、70年の時を失ったキャプテンだからこその重みのある言葉。
そんな彼でさえ『ヒーローの役目は終わったんじゃないか』と沈みかける。

蒸し暑い日でタオルを持ってて良かった。
開始数十分のトニーとスティーブの再会からボロ泣きだったので。
生粋のキャプテン・アメリカ党なので「あぁ、これが最後なんだ」と思うと、彼のシーンは全て泣いてました。

戦闘中にも関わらずペギーの写真入りコンパスを真っ先に拾ったり、70年代でペギーに会わずラストに持ってくるのとか…
スティーブのそういうプラトニックな所が大好きなんだよぉ!!!!!!

最後なので語らせて頂きたいんですけど
キャプテン・アメリカって、つくづく“仮面ライダー”的だなと思うんです。
改造人間の宿命を背負った者が、存在理由を求めて人々の幸せを守る為に戦う。
そこには平和を脅かす敵への怒り
同じ超人を倒す葛藤
犠牲や争いへの悲しみが籠っていて、それでも信念は揺るがない。
そして全て終えた後はどこかへ旅立つ…とまんま仮面ライダー1号/本郷猛ですよね。
最高にカッコいいけど最高に悲しい人だなぁと思うわけです。

だからこそ人の役に立つ為に生まれた彼が
『自分の人生を過ごしてみたくなった』
と自分を取る“わがまま”を言ってくれた事がすごく嬉しかったんです。

穏やかな生活を共に夢見たナターシャの死や、最後には必ずヒーローとして信念を共にしたトニーの死
ストーンとムジョルニアを元の時代に戻すという時間の修正役を引き受けた時、真に役目を終えたと思えたんですね。
タイム泥棒計画を推していた彼が、自らけじめをつけるのも彼らしいなと思いました。
戻らない!トラブルか!?と慌てる2人を尻目に「行ったか…」というバッキーの表情が2人の絆を感じさせます。


ムジョルニアを持つキャプテンや、ポッツがアーマーを着たレスキュー、アスガルドの亡命先、キャプテンの「ハイルヒドラ」、2代目キャプテン・アメリカの継承、アイアンハートの候補者。
とアメコミをちょろっと知ってるとこの先が楽しみになる描写の数々。

サノスへの勝ち方はあれこれ予想して、意外とあっさり…なんて思ったんですが
考えてみれば「なんだ!最初っからそうだったじゃんね!」っていう。

つまり【大事なのは愛と自分の手が届く範囲は正義を持って献身すること】
「だから“全宇宙の生命を半分にする間引き”なんて極論は絶対に違うよ!」と。
でも【資源枯渇】に対するアンサーはまだ見つからないから
遠回りしながらでも模索して進んでいこうよっていう。

だから現代サノスの首を落としたことは精神的な敗北ですし
インフィニティ・ウォーの経験を経ていない、極端な殺戮モードに変貌した8年前のサノスを消すこと自体も勝利ではないんですよね。

サノスを超える為のタイムトラベルはややこしかったですが、インフィニティストーンを織り交ぜた変化球だったのは面白かった。
タイムトラベルは前作の時点で全人類が予想したでしょうしね。

だから「過去を変えたら自分が消滅しちゃう〜」なんて使い古された設定ではなく今を受け入れ、前に進むMCU流のタイムトラベルは良かった。
っていうかこれ以上の落とし所は無いんじゃないかなぁ。

そして指パッチンで消えた人との5年のタイムラグは今後の作品で必ず触れていくでしょうね。

キャプテン・マーベルの時に「原作同様ベリーショートヘアーのブリー・ラーソンが見れるかも!」
とワクワクしてたんですが、まさか2ヶ月後に見られるとは(笑)
母の日の翌日に見たおかげでソーと母フリッガの再会もジーンと来たり…。

吹き替え声優陣の方々も気合が入っているのが分かります。
ナターシャ役の淡々とした表現をする米倉さんが少し浮いているな…と毎回思ってたんですが今作では抜群の演技でした。
バートン役の宮迫さんはもう文句なしで素晴らしかったです。

余談ですが吹き替えキャストのクレジット順が竹中直人さんから米倉さん→宮迫さん→溝端さん
とタレントさんが本職の声優さんより先なのが、ずっと不満だったんですけど
本作でようやく向こうと同じ、トニーを務めた藤原啓治さんから始まる順番になりました。
それすら感動したり(笑)


ここまでキャスト、スタッフ、ファンに対し愛に満ち溢れた作品を11年間見続けて良かった。
そんな気持ちでいっぱいです。

キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース
クリス・エヴァンス/中村悠一さん
僕の指標となる1番のヒーロー、ずっとずっと大好きです。

スティーブとペギーを象徴する曲がエンドロールで流れる【It’s Been A Long, Long Time(1945年)】
第二次大戦終結で平和が訪れ、兵士の夫や恋人の帰還を喜ぶ曲。

[あなたはどれほど夢見ても分からないだろうけど
私はずっとあなたのことを夢見てきたの
だってあなた無しの人生なんてどれほど虚しいものか
だから私にキスして、そして二度目のキスをして
それからもう一回私にキスをして
それはそれは長い、長い時間だったから]
りゅっくサック

りゅっくサック