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アベンジャーズ/エンドゲームのtrickenのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

▼MCU未コンプ時,劇場公開時観劇: 星3.5

トムホランドが戦場で強い女たちに囲まれてたのは面白かったなあ、とか、キャップよかったねえ、とか、太っててもソーはソーとして楽しそうだなよかったねえ、とか、なんか「そこそこ相対的なハッピーエンドで終わった銀河英雄伝説の感想」みたいになってしまうのはなんなんだ、みたいな感想をもってます。
マイティソーがそこそこおデブなまま旅立って行ったのは本当に幸せそうでよかった……なんか「アヴェンジャーズ初期メンたるもの、ムキムキじゃなきゃダメです」みたいな縛りを本編が捨て去るところに、ある種の救いがあるように思いましたね。

▼2020-06-21: MCUコンプ後,Blu-ray再視聴

ソー3を観ないとわからないこと、ウィンターソルジャーを思い出さないとわからないこと、アイアンマン3を観ないと気づけない少年、エイジオブウルトロンを見ないとわからないハンマーwithキャップの経緯、シビルウォーを思い出さないとわからない確執、GoGを観ておかないとノレない宇宙系世界観……などを発見することができた。特に『アントマン1』と『アントマン&ワスプ』をみてないと、前半何をやってるのかは全然わからなくなりますね。だから『アントマン』だけはみておけと強く言いたい。

映画単体の出来で言えば『キャプテンアメリカ: ウィンターソルジャー』(星4.9)には遠く及ばない。けれどMCUは連作で見ることで「イースターエッグ点」が際限なく加点されていくことになっていく。それを加えるとしたなら、MCUをコンプしていない時と比べて+0.6から+1.5くらいは付くことになる。

また、MCUをほぼ全て劇場で見た人なら、「コミットメント点」も付くだろう。そうするならこの映画シリーズは加点に際限がなくなってしまう(たとえば、長らくマーヴェルにコミットしていた友人は、当然のように『エンドゲーム』にMCU映画中最高評価をつけている。これはMCUに期待していたみんなにとって当然の姿勢だ、MCUはフェイズ3までのあいだにそれほどのことをなしとげたのだから)。自分も、それらを加味するなら、3.5点を4.2点くらいに増やすことはやぶさかではない。

けれど自分は基本的に、「映画がその1-4時間以内で、鑑賞に堪える」ことが、コミットメントの濃淡を抜きにした推薦に欠かせない条件だというスタンスでいる。だから、MCU全部見て、自分の中の「エッグスター点」や「コミットメント点」が以前より高まっているからと言って、公開当時につけた星3.5を後で覆すことはしない。『エンドゲーム 』が『エンドゲーム』内で構成される要素だけで、自分の中の『ゴッドファーザー』を超えたりはしなかったからだ。

しかしそれはそれとして、たとえばMCUが『ゲームオブスローンズ』や『ブレイキング・バッド』など、ドラマシリーズと比較して点数づけられるものならば? それは、ドラマシリーズの中で星4.5-4.9くらいをつけなければならないかもしれない。MCUは、単作映画を連ねる中で、「この映画は映画ではなく、豪華なドラマシリーズのように(も)見てほしい」という、映像作品内のジャンル横断的評価を要請する作品になっていたと言える。

自分はたまたまMCUにコミットメントが薄かったから、単作としての『ウィンターソルジャー』を愛するし、WSチームが言及していた『コンドル』や『ヒート』も愛そうと思う。けれど、映画館で連ドラを続けるMCUという試みに、今後まったく関わらないということもしないだろうし、なんだかんだで封切り後に色々追いかけてしまうことになるだろう。その中で、連ドラとしても、単作映画としても、どちらからみても傑作なMCU作品が打率高めで出てくることを、これからも期待してゆきたい。

▼補足: 『エンドゲーム』まで、ドラマツルギーの面で省略できないやつ、個人的見解として

『アイアンマン』1,2,3
『キャプテン・アメリカ: ザ・ファースト・アヴェンジャー』
『アヴェンジャーズ』
『キャプテン・アメリカ: ウィンターソルジャー』
『アヴェンジャーズ:エイジオブウルトロン』
『アントマン』
『キャプテン・アメリカ: シビルウォー』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
『マイティソー: バトルロイヤル』
『アントマン&ワスプ』
『アヴェンジャーズ: インフィニティウォー』

アヴェンジャーズ正伝の前後にあるアイアンマン3作とキャプテンアメリカ3作とアントマン2作をみておくことは必要と考える。あとはソー3は観ておかないとインフィニティウォー〜エンドゲームにおけるソー周りの面子の組み方がわからなくなるので観た方が良い。

MCUとしての見方をしないなら、『インクレディブルハルク』や『スパイダーマン: ホームカミング』は単作としても素晴らしいものがあった。何度も触れてる『キャプテンアメリカ: ウィンターソルジャー』は、単品のスリラー映画としても歴史に残る大傑作。
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