面白かった。
題名の「 Unfinished business 」は、一般的に「終わっていない仕事」を指すけれど、「 finish 」は遡ると「限界を設けて、そこで終わらせる」という言葉に辿り着く。
作中、主人公たちはひとつのゴールを目指して出張という名の旅に出るけれど、どったんばったんと様々な限界を超えて、お仕事が未完のまま帰路に着くようなことはしなかった。
教室のみんなから揶揄われて、はみ出し者みたいと落ち込む息子さんは、冒頭の父親さんの一部始終を見ていると、似ているような気もするし、やっぱり父親さんの方が経験値がありそうな気もしてくる。
主人公もはみ出した。でも、仲間を見つけて、受け入れて、みんなでゴールを目指して共に動く選択をし続ける。
教室からはみ出しても、教室の外の方が広い。なんなら主人公は、飛行機に乗って異国まで行った。
きっと息子さんも、これから先広い世界に少しずつ触れて、共に歩む誰かと出会えるかもしれないよね。頼もしいチームメイトもいるんだし。お仕事で忙しそうなのが難点かな、でも、時間を見つけて向き合ってくれる。たまに一時停止するけれど。
娘さんも大変頼もしい。強く生きていきそう感すごい。
女のくせに乱暴とか、おしとやかにするべきとか、感情的とか、色々言われることもあるだろうけれど、お兄ちゃんを守りたかった気持ちは忘れないでほしいよね。守り方を色々知るだけで、だいぶ違ったりするかもしれない。
そして、主人公の側にも同じように、周囲から距離を取られてしまいそうな感じの人が居る。最初はその人に対して、主人公も老兵さんも不安を抱いていたね。
でも、彼のこともきちんと評価した。
言葉のやり取りが独特な方向を向いたり、知らないことやわからないことが多かったりするけれど、諦めずに主人公たちとゴールを目指し続けた。
すぐ投げ出したり、捻くれたりしない強さがあったし、彼なりに色んな対処法を学んできていたことは垣間見えたりする。飲み物買いに行くタイミングとか。
娘さんも、すぐ出来るようになるかも。ちょっと席を外す、という技。
それにしても、辛い出張であった。
お金の心配と、宿の心配と、家族の心配と、それらだけでもハゲそうなのに、交渉したい人たちが私生活を満喫しているところへ乗り込まなければならんなんて、口から胃が出そう。
外から丸見え状態の部屋しか確保できなかったり、催涙弾に苦しんだり、わしなら向こう数年は寝込みたい。疲れるなんてもんじゃない。
噛ませ犬という立場を思い知って、正直弱気になるだろうし。
そんなてんやわんやが繋がり出すような瞬間は、少し追い風を感じるけれど、風に乗って一緒に走りたい気持ちより、兎に角横になりたい気持ちが勝っちゃったのは、我ながら笑ってしまう。風を感じるのは心地良いんだけれどね。
体調を整えて、今日も行ってらっしゃい。そんな気持ちになる。体調はマジできめ細やかに整えてほしい。お仕事で内臓まで酷使する場面、やっぱりあるんだろうから。
家族も仕事仲間も乗せて、運転席に座るんだもの。