鹿江光

プリデスティネーションの鹿江光のネタバレレビュー・内容・結末

プリデスティネーション(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

≪78点≫:SFの意欲作。
パラドクスの出発点である「鶏が先か、卵が先か」という事象をうまいこと利用した作品。今までのSFパラドクスの一歩先まで踏み込んだような挑戦を感じた。『輪廻の蛇』という短編原作を、よく長編映画にしたなぁと感心した。
まぁ原作情報を知ってしまうとネタバレもクソもないんだが、本作はたまに見かける「ウロボロス・ムービー」というものだ。
ただ説明不足を避けるとはいえ、前半のもたつき加減は異常だ。SFという入り口からあの内容を観させるには、違和感を抱かざるを得ない。故にラストまで構えてしまう。
タイムループ、パラドクスものは、ある程度特異点というか出発点が解るものなのだが、本作に関しては明確な始まりがなければ、終わりもない。始まりを生み出したのは終わりであり、終わりを生み出したのは始まりなのである。雄鶏というミッシングリンクは新しいなぁと思った。
個人的には、イーサン・ホークよりも、サラ・スヌークに惹かれてしまった。あの人の眼はなんだか癖になる。
鹿江光

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