ずっと見たかったが、時期を逃したので、敢えて今だから見てみた。
カトリック教会で神父による、
少年への性的虐待事件。
組織的隠匿を長年行ってきたが、
それを暴露した記者たちの物語。
性加害なんて言葉じゃいい表せない。
小児虐待である。
被害者は今は中年男性、つまりもう長い間行われて、年月が経っている。
彼らへの行為を聞くだけで、おぞましく、気持ち悪い。
この過去を発言する事なく、心に秘めて生きていく人も大勢。
でも、彼らはラッキーだ。
今も生きているのだから。
これを聞いた時、もう言葉にならない。
そう、この虐待により、自ら命を断つ人も大勢いると言う事。
何故、された時に言わないの?って。
子供は、いや大人でも、大きな権力の元には、口を閉ざすしかないのだ。相手は神だ。
今の日本での事件は、全くこれと同じ構造で、相手はメディアだ。
少年たちの夢や希望を、圧倒的な権力で破壊されていく。
逃げるか従うか、その選択しかない。
そんな日本の事件と重ね合わせながら見た本作は、記者たちの戦いが救いだ。
彼らも圧力に怯む事もあるが、最後まで元少年たちを救い、この犯罪を公表し、社会批判を向けさせ、謝罪と賠償へ。
当事者が生存中であるのが一番大きく、また命懸けだ。
以前被害告白をしたが、捻り潰された。
本作は、もう同じ轍を踏まない。
でも、今でこそ扱うようにやったが、日本は最近まで更に潰していた。
だから、本作の記者たちの志には、拍手をしたい。
よくやったと。
日本のメディアの酷さを見ているだけに、羨ましい。
ラストの描き方は、希望のように感じたが、その結果によるテロップが、あまりの凄まじさに愕然とした。加害者数、被害者数、地域。
それを見た後、日本の加害者1に対する被害者の数が、余りにも悍ましく、吐き気が。
この時期でなければ、また違う感想だったかもしれないが、二度とこんな事件は発生してはならない、男性への性的虐待についても、きちんと考える世の中にならないと。
日本の事件は、いつかハリウッドで映画化?杞憂であって欲しいが。