ボストン・グローブ紙の記者たちによって暴かれたボストンとその周辺地域で起こったカトリック司祭による性的虐待事件を、実話に基づいて描いた作品。
とてもシンプルで真摯で熱い作品だった。
マーク・ラファロのセクシーな胸毛も、レイチェル・マクアダムスの大輪の花のような笑顔もない。
色味が抑えられた映像、そして記者たちの気持ちに寄り添りそうようなさりげなくも美しい音楽。
余計なものは全て削ぎ落とされて、残るものは真実を伝えたいという熱い思いのみ。
記者は警察や弁護士のように人を裁くことはできない。
しかし「ペンは剣よりも強し」である。
鳴り止まない電話のコールは、彼らへの賛辞でもあり被害者の悲痛な叫びのようにも聞こえた。
180/2016