Nami

スポットライト 世紀のスクープのNamiのレビュー・感想・評価

4.2
ボストンの教会が抱える疑惑を追い続ける、新聞記者のチームのストーリー!

実話がベースの作品ですが、この「スポットライト」はその疑惑が話の中心ではなく、新聞記者たちがどのように取材を続けてスクープを掲載するに至ったかというプロセスにフォーカスしていて教会側の様子はほとんど触れられていませんでした。

私は、この作品は教会という巨大な組織の善悪とか事件の内容とかではなくて、「新聞記者の仕事」が核になっているんだなーと思いました(*^^*)

特に、新しく就任した局長が、「一つ一つの虐待事件ではなく、もっとその根底にある負のシステムを突き止めなければ意味がない。」というようなことを言っていたのがすごく印象的で。普段仕事してる身だけど、小手先や目の前にことにとらわれがちで、どうしても「Big Picture」をとらえるのが難しい・・・。なんか、イチ・サラリーマンとして、働く姿勢とかそういうスピリットにすごく感銘を受けちゃいました!

「新聞記者」って一言で言っても、戦争ジャーナリストとか映画にしやすいだろうし、芸能ジャーナリストはすごく業界的にもおもしろいんだろうけど、それに比べ、「スポットライト」の新聞記者たちは、地味です(;・∀・)取材相手は一般市民や弁護士など、普通の人。仕事の大半は、過去の資料や裁判文書、図書などから情報をかき集めてひたすら分析。でも、そういった一つ一つの小さな積み重ねが、最後「記事を書く」という集大成につながっていくんだろうな、と思いました。「記者=書く人」という風に勝手に思い込んでいたけど、実は探偵にも近い、地道にコツコツと情報を集めて記事の信頼性を高めていくのが本当の仕事なんだなって思います。

そういう、新聞記者の本質がすごくしっかり描かれていたと思います♪

キャストも実力派がそろっていて、個人的には新局長のリーヴ・シュレイバーが、寡黙かつ頭のキレるセ委任者の雰囲気が出ていて、スポットライトのチームにいい重厚感を与えていたと思います。
あとは、マイケル・キートン演じるロビーが、まさに「仕事のできる上司」って感じで、イチOLとしては、かなり心トキメク上司像でした(笑)一緒に現場に出て取材して歩き、いろんなコネクションを持ってて、正しい判断を下せるなんて・・・完璧じゃないか!

アカデミー賞の作品賞をとったけど、「エンタメ性」を期待して見に行くのではなく、作品から何を感じるのか、その「メッセージ性」に着目してみてほしいなって思います('▽')ノ
Nami

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