ノットステア

スポットライト 世紀のスクープのノットステアのレビュー・感想・評価

4.0
○今日観ることにした理由
前から気になっていた作品。
『大統領の陰謀』『ニュースの真相』を観たことがあるから、いつか観ようと思って録画していた。

だけど、今日観ることにしたのは今日がメジャーリーグの開幕だから。ドジャースよりパドレスを応援したくて。TVつけてニュースを見ても、みんなドジャースドジャース。大谷大谷。パドレスにも日本人選手おるやん?
資金力見るとドジャースなんて勝って当たり前な感じするやん?(そういうチームに行くことが悪いわけじゃないけども。そういうチームに所属できるなら所属したいっていうのは当然。所属できる素晴らしさもわかる。)

ロサンゼルス・ドジャースってどういう意味なんだろう?って思って調べた。dodgersとは、路面電車を避ける人たちって意味らしい。その土地の歴史が由来なのね〜、
それにしても避ける人たちってのはあんまカッコよくないな。危険球避けるのうまそう。走塁でも守備でもぶつからないように避けるのうまそう笑

サンディエゴ・パドレスってどういう意味なんだろう?って思って調べた。padreは神父という意味。サンディエゴの開拓者がフニペロ・セラというスペイン人の神父らしい。
このフニペロ・セラっていう神父について調べた。あかん人やん。。。
カリフォルニアで伝道するためにインディアンたちの村を襲撃、拷問、脅迫、虐殺。
それをチームの由来にしてしまうとは。。。

「神父 映画」でGoogle検索した。『スポットライト 世紀のスクープ』が出てきた。
朝日新聞の天声人語でも取り上げられてたのも思い出した。読んでみる。これは、、、今日観るべき映画かも!

朝日新聞 天声人語 2024/2/9
「きみが探している文書は、かなり機密性が高いね」。法廷に提出された証拠の閲覧を求める新聞記者に、険しい表情の判事が言う。「この文書を記事にした場合、責任は誰がとるのかね」。即座に記者が答える。「では、記事にしない場合の責任は誰が?」▼米映画「スポットライト 世紀のスクープ」の印象的な場面である。神父の性虐待をめぐり、教会の隠蔽を暴こうとする記者たちの話だ。モデルとなった米地方紙の記者によれば、実際にこうしたやりとりの末、文書は開示されたという▼翻って思うのは、日本の情報公開の寂しい現実だ。公開によって問題が生じないかは極度に神経をとがらすのに、非開示の判断は、誰も厳しく責任を問われない。何だか、おかしくはないだろうか▼朝日新聞が森友学園の問題を最初に報じてから、きょうで7年になる。なぜ国有地が8億円も不透明に値引きされたのか。なぜ財務省は公文書を改ざんしたのか。いまだにナゾは残るままだ▼全容の解明に不可欠な公文書の公開は、進んでいない。財務省が検察に出した書類の開示をめぐる訴訟では、改ざんに絡む文書があるかどうかさえ明らかにされていない。行政文書の「原則は公開」という看板の字がかすれて見える事実がうやむやにされることで、この国の民主主義の未来、社会の公正さ、そんな目に見えない大きなものが深く傷ついていないか。真実を明かさぬ責任は、誰がどう背負うのか。 森友問題は、まだ、終わっていない。



○スターチャンネル紹介文
2002年。アメリカの地元新聞ボストングローブ紙によって、カトリック教会のスキャンダルが明るみに出る。独自の極秘調査に基づく一面の特集記事欄"スポットライト"に、神父による性的虐待とその事実を看過し続けたカトリック教会の共犯とも言える関係を掲載したのだ。教会で長く隠蔽されてきた衝撃的な歴史を暴き、社会で最も権力をふるう人物たちを失脚に追い込むことになるが、それは彼らの記者生命を懸けた闘いだった……。



○感想
実話を元にした作品なのね。記者が真実を暴く系の作品は登場人物が多くてシンドい。誰がどの立場で何をやったのか。難しい。

印象に残ったのは、真実が明るみに出にくい構造や、被害に至る経緯。

3年で時効。被害者が表に出たがらない。まだ子供で罪悪感とか羞恥心とか。大抵信心深い地域の子供達。
訴えが通っても免責法で賠償は最高2万ドル。児童虐待なのに。
教会は手強い。
被害者側の弁護士ガラベディアンは無愛想で、メディアを有効に使えない。

聖職者虐待被害者の会SNAPのサヴィアノは神父の罠について語っていた。
貧しい家の子には教会は重要で、神父に注目されたら有頂天。自分を特別な存在に感じる。神様に親切にされたと思う。神父の卑猥な冗談を変だと思う。でも秘密を守るために受け入れる。どんどん深入りして、黙って従う。神父に可愛がられて罠にはまる。
肉体だけでなく、精神への虐待。信仰さえ奪われてしまう。酒やクスリに手を出したり自殺したり。だから生き残っている者を生存者と言うらしい。
まだ生きてるということは幸運な方ということらしい。

胸糞悪い。教会の人間=強い=何してもいい、って考えになるよ。教会の外がしっかりせんと。誠実かどうかもわからん人の誠実さを信じるだけじゃあねぇ。

新聞記者のサーシャ・ファイファー(レイチェル・マクアダムス)は被害者から話を聞く。その際、被害者に対して、言葉が大事だと言う。いたずらされたではなく具体的に何をされたかを話さなければ使えない。
そりゃあそうだよなぁと思うと同時にキツいなぁと思った。

標的は同じタイプばかり。貧困、父親不在、家庭崩壊。羞恥心が強く寡黙な子。
サイプという療養施設の職員は被害者の多さをしり公表したが、教会に潰された。有名な司祭達がサイプを中傷する運動をした。サヴィアノに対しても、ガラベディアン弁護士に対しても。

被害者の多くは虐待を認めてもらいたいだけ。司祭に会って示談金をもらえれば満足した。

裁判所には訴訟の記録が残っていない。それは教会との直接交渉をしたため。弁護士同士の裏取引。示談で秘密保持契約。

サイプの考えでは、危機の原因は、聖職者の独身制にある。

ボストンの新聞記者だからか、野球の話題がなんども出てきた。
あー。今日はパドレスの負け〜。ダルビッシュ投手のツーアウト満塁でしっかり抑えたところは良かった。松井投手もう少し投げてほしかったけど、勝負は今日だけじゃないから仕方ないか。大谷ベース踏めなかったあと流れ変わらなかったなぁ。。。



○印象的なセリフ
聖職者虐待被害者の会よ略語がSNAPだと知ったマット・キャロル「安っぽい略語だ」

マイク・レゼンデス(マーク・ラファロ)「局長には勝算が?」
ウォルター"ロビー"ロビンソン(マイケル・キートン)「ない。でも勝つ気だ」
マイク・レゼンデス「心強いですね」
ウォルター"ロビー"ロビンソン「ああ。彼(ガラベディアン弁護士)が正しければな」

ガラベディアン弁護士「私が得た教訓は"子供を育てる者は虐待もする"」

ベン・ブラッドリー・Jr.「クソ神父が90人も?」「教会は知っていたと?」「みんな黙ってた?」

マクリーシュ「脅す気か?」
ウォルター"ロビー"ロビンソン「記事は2本ある。1本は聖職者の堕落。もう1本は児童虐待で儲ける弁護士。1本書くとしたら君はどっちを書いて欲しい?」

サイプ「教会とは人が作った組織にすぎない。滅ぶものだ。信仰は永遠だ。2つを分けるよう努力を」(サイプは教会から追われる身となってもカトリック信者を続けている。)

マイク・レゼンデス「50人の変態神父を記事にすれば…」
マーティ・バロン「ポーター事件と同じで大騒ぎにはなるが、何も変えることは出来ない。組織に焦点を絞ろう。個々の神父じゃなく熱意と用心深さで教会の隠蔽システムを暴け。教会が同じ神父を何度も転属させそれが上の指示で行われていることを」
ベン・ブラッドリー・Jr.「標的は枢機卿だな」
マーティ・バロン「標的は教会組織だ」

枢機卿の手下みたいな人「少しの悪のために多くの善は捨てられない」

ジム「悪党でも助けるのが弁護士の仕事だ。俺は自分の仕事をしたんだ!」

マーティ・バロン「私に一言言わせてくれ。私達は毎日闇の中を手探りで歩いている。そこに光が射して初めて間違った道だと分かる。以前何があったかは知らないが、君達全員本当によくやってくれた。この記事は間違いなく多くの読者に大きな衝撃を与えるだろう。私達の仕事はこんな記事を書くことだロウ枢機卿と信者達が強く反発するだろう。君達には休みが必要だ。当然だ。だが月曜の朝には出社し集中して仕事を続けてくれ」



○あらすじ
年配の警官と若い警官。性的虐待の訴えで警察にきた被害者とその母親たちの様子。訴えられているのはゲーガン神父。
若い警官は、神父の罪を隠すのは無理だと言う。年配の警官は、神父が罪に問われないことを悟っている。

アメリカの地元新聞ボストングローブ紙スポットライト欄のメンバー登場。
親会社のタイムズ紙から、新局長に就任したマーティ・バロン登場。
グローブ紙の記者たちは警戒。

編集会議。カトリック教会が隠ぺいするゲーガン神父の児童性的虐待問題を掘り下げることをマーティ・バロンは提案。
かつてコラムで2つ記事を取り上げて以来、それっきりのテーマ。
被害者代理人のガラベディアン弁護士は変人扱いを受けているらしい。教会も事実を認めていない。証拠も封印されている。
教会を訴えるのではなく、裁判所に封印解除の申立をするようマーティ・バロンは言う。
教会を訴えるも同然。
スポットライト欄のメンバーが担当することになる。

マイク・レゼンデスは、ガラベディアン弁護士に話を聞こうとするが話してもらえない。

スポットライト欄のメンバーは、SNAPの代表サヴィアノに会う。サヴィアノによると、ボストンの13人の神父が子どもたちに性的虐待をしてきたらしい。
スポットライト欄のメンバーは、サヴィアノの紹介で被害者たちに取材。

サイプという療養施設で働いていた男から連絡が来る(電話のみ)。
サイプは30年間、性的虐待の神父と被害者のことを調べていた。統計的に判断すると、聖職者の6%が小児性愛者で、ボストンでは90人はいるはず。

スポットライト欄のメンバーは、神父の年鑑を確認する。ゲーガン神父と同様に休暇や短期間で転属させられている神父を数える。87人。

マーティ・バロンは指示する。(神父たちのことを報道しても、)「ポーター事件と同じで大騒ぎにはなるが、何も変えることは出来ない。組織に焦点を絞ろう。個々の神父じゃなく熱意と用心深さで教会の隠蔽システムを暴け。教会が同じ神父を何度も転属させそれが上の指示で行われていることを」
ベン・ブラッドリー・Jr.「標的は枢機卿だな」
マーティ・バロン「標的は教会組織だ」

ガラベディアン弁護士がマイク・レゼンデスに話す。
いろいろあってガラベディアンの訴訟に対して教会側の弁護士が訴訟を起こした。これがガラベディアン弁護士にとってチャンスになるらしい。
ガラベディアン弁護士が供述の根拠を提出するために、文書を提出することになる。それは教会によって封印されているのと同じ文書。だから証拠が公になる。が、教会は何でもできるらしく、裁判所の記録保管所のファイルは空。
マイクは文書の再提出を手配。

2001年9月11日アメリカ同時多発テロ。
スポットライト欄のメンバーも取材に行かなければならない。
教会の存在は、悲しむ人々の心の拠り所。
タイミング最悪。
サヴィアノ怒る。

ガラベディアンは、証拠となる文書を裁判所に再提出。
マイク・レゼンデスは記録保管所に行く。判事は資料を出してくれない。
判事「きみが探している文書は、かなり機密性が高いね」
判事「この文書を記事にした場合、責任は誰がとるのかね」
マイク・レゼンデス「では、記事にしない場合の責任は誰が?」

証拠となる文書を手に入れる。それは、被害者の母親がロウ枢機卿に宛てた手紙。ロウ枢機卿が昔からゲーガン神父の性的虐待を知っていたことがわかる内容。

今も子供たちは狙われていることを考え、すぐに報道したいマイク・レゼンデス。
ウォルター"ロビー"ロビンソンは報道はまだだと言う。狙いは教会。
ベン・ブラッドリー・Jr.にもマーティ・バロンにも報告しない。

ウォルター"ロビー"ロビンソンの友人であり、教会側の弁護士でもあるジムは、ウォルター"ロビー"ロビンソンに教会の件に関わるなと言い続けていた。
そのジムにウォルター"ロビー"ロビンソンは、スポットライト欄のメンバーが調べた神父のリストを渡し、確認を求める。つまり、喧嘩を売った。
ジムはウォルター"ロビー"ロビンソンに、お前だって何もしなかったと責めつつ、リストを確認する。リストのすべての神父が加害者。

ベン・ブラッドリー・Jr.は、教会の弁護士のジムのことを悪く言う。
ウォルター"ロビー"ロビンソンは自分たちにも非があったと言う。
サヴィアノや、教会側のマクリーシュ弁護士らが過去に資料を送ってきていた。
ガラベディアン弁護士が教会を訴えていたことも知っていた。
マクリーシュ弁護士がかつて送ってきた20人の虐待神父のリストを手にしていたのはウォルター"ロビー"ロビンソンだった。当時、引き継いで間もない時。
ウォルター"ロビー"ロビンソンは自分も何もしなかったと語る。
マーティ・バロン「私達は毎日闇の中を手探りで歩いている。そこに光が射して初めて間違った道だと分かる」

マイク・レゼンデスはガラベディアン弁護士に掲載記事を届けに行く。ガラベディアン弁護士は、新たな性的被害者の対応をする。

記事が出る。
スポットライト欄の編集室の電話が鳴りやまない。ほとんどが被害者から。

スポットライト欄の続報。神父たちが性的虐待で告発される。被害者は推定1000人以上。
ロウ枢機卿はボストン大司教を辞任。ローマのカトリック教会最高位の教会に転属。
各都市の性的虐待が明らかに。