じーつー

スポットライト 世紀のスクープのじーつーのレビュー・感想・評価

3.4
アカデミー賞受賞作なだけあって、倫理観に訴えかける重厚な社会派ストーリーになっていて、良し悪しとは別にとても見応えがありました。
神の代理人ともいえる神父が子供に対して性的虐待を行うという誰も考えもしなかった事件は、掘れば掘るほどに悪事が明らかになり、まるでミステリー小説でも見ているかのような衝撃だった。
また、この作品が面白いのは創作では絶対に映画化はできないという点で、教会を悪として描くなど実話でなければ絶対にできるはずがありません。そのため、今まで見たことのないリアリティのあるストーリーが展開されていて観ていてハラハラした。

最初の方で「記事にしたら誰が責任を取るんだ?」という上司の質問に対してマイケルが「では記事にしない場合の責任は?」という台詞が倫理観を貫き通そうとするマイケルの強い覚悟が見られる印象的なシーンで、この映画の方向性を上手く表現していて良かったです。