あーな

スポットライト 世紀のスクープのあーなのレビュー・感想・評価

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素晴らしき余韻。

カトリック教会の性的虐待の事件が公になり、日本でも報道されていたのはよく覚えている。
その事実に迫った記者たちの信念を強く感じられた。すごくよかった。

「正義」と呼ばれるような高尚な思いだけでなく、子供たちを守りたいとか、この町を守りたいとか。そういう誰にでもある身近な思いを抱きながら取材にあたる様が自分事にも感じられて。

それだけじゃなく、気づいていなかった、黙殺していた、知らなかった。そんな罪悪感みたいなものを抱えながら取材をしているようでもあり。誰もこの記事を書くに当たって特ダネだ、スクープだ、と変な喜びがなかったのがすごく印象的。

あるリストが大きな丸で囲まれたときの、絶望的な現実を突きつけられた感触が忘れられない。

この世界って思っているよりもクソだな、だからこそ自分は少しでも全うな人間として歩みたいと思わせてくれる作品。
あーな

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