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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のtsuraのレビュー・感想・評価

3.6
いきなりだけど、個人的にはこの続編ではグリンデンバルドとの闘いに身を投じざるを得ない苦しい展開は、おおよそ分かっていたけど矢張りニュート・スキャマンダーの魔法動物収集紀行をもっと見たかったのが本音。

ハリーポッターには完全なる悪が存在していた。

でもこの作品に無理にまで、そう言った同様の敵を登場させなくても良かったのではないか?

スキャマンダーが著書というハリポタ番外編となる魔法動物に関する教科書をなぞって世界中を股にかけた動物探検記でよかったではないか。

そこにグリンデンバルドの暗躍を徐々に食い止め、世界中の魔法使いと協力しながら退治しても良かったではないか?

何も無理に迄ダークファンタジーの様な装いを施す必要は全くなかった筈だ。

魅力的過ぎるイケメン、エディ・レッドメインも高度な魔法を使えるみたいだけど、なにも悪者を退治するほど強力なキャラにするならそもそも彼をキャスティングしなくて良かった様に思えてならない。

彼のキャラが前作ではイキイキしていただけに残念。

何か減点すべきポイントも多くて残念だった。

謎だらけを散りばめてクライマックスで一気に回収に回る作り方はさながら火サスのようで。
(主要キャラが全員で出くわしてる展開とかまさに!)
そうまでして後ろまで引っ張らなければならなかったのか?ここでもハリポタでは上手くいっていた事が本作では空振りしてしまっている。

一番気に掛かったのは…今世界的に思想や概念が大きく二分化しだしているから原作のJ・K・ローリングもその傾向に倣って彼女なりの"答え"を提示したようにも思えた。

どちら側に付くか。

今のイギリスを始めEU各国で垣間見る極右化或いは極左、又はトランプが強引に牽引するアメリカを見ているみたいでとてもファンタジーの中で起きている世界の出来事には思えなかったのがなんとも皮肉。

主役2人の進まないロマンスにヤキモキするのも次作に更に持越しとなったのもなんとも言えない笑
(キャサリン・ウォーターストーンは前作の方が綺麗に華麗に見えたけど…本作ではその魅力も何故か半減)

ただ、ニコラス・フラメルやニフラーが出てきてくれたのは加点に値するとしとこう笑
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