おかだ

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密のおかだのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

着こなし以外何も良いところがないアルバス・ダンブルドア


前作から4年くらい経つので、復習でもして臨もうかと思ったものの、復習するような内容でもないかなと思ってノー勉での挑戦。
ノー勉って久しぶりに聞いたし、割とスムーズに変換候補に出てくるのがちょっと気持ち悪い。

さて、全五部作からなるファンタスティックビーストシリーズの折り返しにあたる今作。
まず感想から言うと、つまらなすぎて気絶しそうな内容でした。


あらすじとしては、ニュートスキャマンダーら寄せ集めチームが復活したグリンデルバルトに立ち向かうという、思いっきり「不死鳥の騎士団」的物語。
前作もやってることはほとんど「炎のゴブレット」だったので、まぁそうなる。

とはいったものの、少なくとも目的や陣営がはっきりとしていた不死鳥の騎士団とは違い、まったくもって目的も手段もよく分からない今作。

ドイツ魔法省抱き込みの流れもよく分からないし、そもそもドイツ魔法省が連合指揮選挙の管轄をやってる理由も謎。
というか、選挙といいつつ投票で決めないあの儀式は一体どういうことだろう。

マクガフィンとなる麒麟の扱いもよく分からないし、作戦内容が行き当たりばったりというのは作中でも言及された通りだが、それにしても本当に誰が何を目的として動いているのががさっぱりわからないので、120分くらいが完全な死に時間。
いくらなんでも伝言の内容もしょぼすぎないか。

そもそもグリンデルバルトの未来予知という特性は全く描写されなかったし、クイニーの解心術(?)ももっぱらセリフで説明されるので映画的な楽しみは無い。

それから困るのが、前作終盤で見せたドラマを持ち越さないキャラクター達。
クイニーが闇堕ちした絶望感やリタの死を誰も引きずっていないので、エモーショナルな演出は皆無。
前作ラストで明かされたクリーデンスの出自も大嘘で、もしや監督とJKローリングもノー勉で続編制作に挑んだのだろうか。
ジョニーデップのグリンデルバルト降板よりそっちの方が気味が悪かった。

血の誓いの破壊やクイニー帰還といったドラマの帰結にも何のロジックも伴わないので、じゃあ最初からそうしなさいよとしか思えない。


そして個人的に1番気になったのは、敵陣営の強大さや恐ろしさの描写が全くなされない点。
グリンデルバルトは単なる公職選挙法違反のオジサンでしかないし、取り巻きは睨んでくるだけで恐ろしさがない。っていうか、ナギニは???

これにより、ニュートら寄せ集めチームがミッションに身を投じていくスリルや葛藤という軸となるべき要素が生まれないので、何をどうしても面白くなるわけがない。


他にも、ブータンのロケーションの雑さとか、麒麟入りカバンを誰が持っているのサスペンスも助手だけ明らかに描写が無かったりと下手くそすぎて頭を抱えた。

選挙候補者の構図もなあ。
女性とアジア人と、そして血統主義の白人男性って、あからさま過ぎてシラける。
各キャラクターの内面描写もほぼゼロで、これ以上ないぐらい露骨な記号的配置。
無意識にやっていそうな点が非常に悪質だが、これは怒られた方がいいんじゃないかな。
下手くそなポリコレはただのノイズなので控えてくれ。

あと、ハリーポッターシリーズでは上手く描き分けていたマグル社会と魔法使い社会の輪郭も曖昧で、ジェイコブの迷い込んだ感とか狂言回し感が薄い点も非常に残念。

主題のダンブルドアの秘密も、主題にする程のものでなし、そもそもハリーポッターシリーズからずっとそうだが、何事においても戦犯なんだよなぁこの爺さん。


色々言いましたが、魔法生物は可愛いし、マッツミケルセンもジュードロウもスーツがとてもよく似合っていてカッコいいのでオススメです。
おかだ

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