小説の「図書館戦争シリーズ」がヒットした背景のひとつに、“言葉狩り”という要素があり、本を読む習慣のある人にとって図書隊側の“正義”にとても感情移入をしやすい設定があったと思う。本好きにとってはつい手に取ってしまうストーリーがあった。
では、映画の場合はどうだろう?
必ずしも映画を見る人が、そこまで図書隊の事情に入り込めるか?
自分は小説のファンなので、言葉狩りから死ぬ気で本を守る図書隊の正義もわかるし、対する良化隊の秩序を守ろうとする正義も知っている。
しかし、そんな自分でも、
「なんでこんなに闘っているんだ?」とふと思ってしまった。
銃弾が飛び、血を流し、前作より遥かに迫力が増した戦闘シーン。
だけど、闘う理由には厚みが増えてないように感じてしまう。
カッコいいしドキドキするシーンがたくさんあっても、お互いの事情に入り込めないと、ただの傍観者になってしまうと思う。
あとほんの少しでいいから、グッと物語に引き込んで欲しかった…彼らが闘う意味を、守りたい正義を、もっと見せてほしかったなぁというところ。