ドンチードル

イロイロ ぬくもりの記憶のドンチードルのネタバレレビュー・内容・結末

イロイロ ぬくもりの記憶(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

外国人労働者の待遇なんてどこでも悪い。「外国人」とか「母国」みたいな概念が在る限り、経済が悪化したときには外国人が最初に切られるよ。

当の家族たちも元の社会的地位を失っていくが、それは経済とも彼らの自業自得とも運が悪いとも言えるニュアンス。その脆弱性が鶏や卵に例えられてるのは面白い。

アジア圏特有の子どもの扱い方も描かれる。多分ジャールーの賢さにはテレサしか気づいていなかった(もしくは認めてなかった)。レールを外れることが仕事を失うことと等しく描かれる。学歴社会で育っていても、子供は愛を欲している。だからこそ母親よりもメイドに愛着が湧く。でも、経済的なサポートをするのも愛情の一つ。それがわかるのはもう少し大人になってからかもしれない。一緒に過ごす時間とお金はトレードオフだ。

メイドの出自もそうだけど、経済と愛情のジレンマを感じる。でもそれを問題としては描かないし、実際に問題でも無いんだと思う。ただただ、人生はそういうもんだというだけ。俺達は何だかんだ上手くやっていくんだろう。