イロイロ ぬくもりの記憶の作品情報・感想・評価

「イロイロ ぬくもりの記憶」に投稿された感想・評価

YS

YSの感想・評価

3.5
2014/12/13
配給 日活、Playtime

「トウキョウソナタ」が鑑賞後に頭をよぎった。
なんとなく不協和音な家族の中で、反抗期を迎えた少年の居心地の悪さを、メイドが救ってくれる。シンガポールのこの時代はメイドの地位は低いのね。
そこが少年は自分と重なったのだろうか。

父親は妻に仕事のクビを言えず、それを告白するシーンの妻が良かった。
やっぱり、言わないと伝わらない。
言ってくれないと、もっと伝わらない。

原題がILO ILOって、どういう意味なんだろ?
aymm

aymmの感想・評価

3.9
舞台は1997年シンガポール。共働きで息子一人、もうすぐ出産を控えている母親のいる家庭にフィリピン人の女性がメイドとしてやってくる。
家庭に安らぎを感じられない息子が、メイドとの絆をゆっくり深めていく。
現実的な問題を生々しく描いているが、最後に夢や希望が少し見える綺麗な映画でした。
Kanaria

Kanariaの感想・評価

3.9
女性の移動に関する授業にて。
シンガポールにおけるフィリピン人女性のドメスティックワーカーを取り巻く問題が描かれています。

切ない、けど暖かい😭
テリーとジャルーの仲がどんどん良くなって行くのが観ていて微笑ましかったです。

血縁関係のないひととここまで親密な関係になれるのはDWだからなのかなぁ。日本にも定着するのかなぁ。色々考えさせられました。
ちょっと珍しいシンガポールの映画です。
カンヌやいろんな映画祭で高く評価された作品のようですが、全然知らなくて、Filmarksのお陰で出会えました。

1997年と言えば、香港が中国に返還されたり、またアジア通貨危機の年でもありました。
激動の時代、経済不安が家庭暗い影を落とすようになった時代です。

そんな時代を舞台に、シンガポールのとある中流家庭の10歳の息子ジャールーとフィリピン人のメイドとの心の交流を通して家族を描いた作品です。

このジャールーって少年がなかなかのクソガキで、両親ともに仕事が忙しく、寂しさからかわざわざ問題を起こして学校からお母さんが呼び出されて怒られてを繰り返してるんですね。
ワガママで反抗的で可愛げもなく、嫌な感じに拗らせてるから、第二子の出産も近づきお腹も大きくなってきたお母さんは、たいがいウンザリしてジャールーに手を焼き、フィリピン人のメイドを雇うことにしました。

このメイドのテレサも故郷のフィリピンに赤ちゃんを置いて一人で出稼ぎに来ており、ジャールーがテレサに対して試すかのようにいろんな問題を起こしたり意地悪したりして、テレサも戸惑うのですが、いつも悪い事をしたら真剣に叱ってくれ、でもジャールーの身の回りのことも親身にお世話してくれ、徐々に距離が縮まっていき、いつしか母親以上に安心や信頼ができる大切な存在になり、絆で結ばれていくのです。

でもお母さんにしたらおもしろくない。
実の母親以上に外国人のメイドに懐く息子を見るのは許せない気持ちになるし、お父さんは経済不安によってリストラされたり株で損したりして、この家族が転げ落ちるように深刻な問題を抱えて破滅に向かう感じは、エドワード・ヤンの「ヤンヤン 夏の思い出」とすごく似ていると思いました。

ヤンヤン…でも、おばあちゃんが寝たきりになったり、お母さんが心の穴を信仰宗教にのめり込む事で埋めようとしたり、お父さんに好きな人ができたり…と同時多発的に様々な問題が起きていましたが、淡々とした描き方なんかも含めて、影響を受けてるのかもしれないですが、家族が破滅寸前からなんとか繋がりを取り戻し再生するという感じも共通しています。

核家族で両親は共働きで忙しく、生活水準は悪くないのに満たされない空虚さをみんなが抱えていたり、出稼ぎ外国人の存在、社会の情勢不安など、シンガポールが抱える社会の問題をある家族に落とし込んで描かれ、それぞれが孤独を抱えながらも誰かとつながる事で立ち直り成長していくあたたかなヒューマンドラマでした。

眩しいくらいの白を基調とした明るい映像も美しく、言語も英語やフィリピンのタガログ語、中国語が使われて、シンガポールの雰囲気を知る事もできる良い作品でした。

45
ちかこ

ちかこの感想・評価

3.7
見終わった後のやるせない気持ちと可愛げも優しさも何もなかった少年のことを思い出して苦しくなった
こと

ことの感想・評価

3.9
これからの日本でも考えられる話

外国人家事労働者がどんな経緯で働きに来ているのか

慣れない国で友人もいない中1人で働くことだけでも寂しいのに、追い討ちをかけるような雇い主との関係性や母国に残してきた子どもへの不安

結局家事労働だけでは稼げないから、ルールに反して空き時間に他の仕事もする

日本社会もお世話になってる人たちのことだから、もっと沢山の人に見てほしい
ゆき

ゆきの感想・評価

3.7
澄みきらない空気と、煮え切らない感情。

シンガポール人の一家。共働きの両親を持つわがままな少年の元に住み込みのメイドがやってきた。メイドのテレサと少年ジャールー、そして家族の時間を描く。

親だってただの人だから疲弊した先には嫉妬もするし感情のゆがみもしょうがない。
憎たらしいジャールーがどんどん愛らしくなっていく変化も人と人の交流があっての変化。
たまごっちにひよこに鶏肉に。気付くとにやっとしてしまうようなちょっとした遊びも見受けられて愛嬌の溢れた作品でした。
決して澄みきった空気の作品ではないけれど、人間らしい一作。
ただ、日々のため息にも似た「生活しなきゃ」という感情から少し角を取って丸くしてくれるような暖かい時間でした。
シンガポールの一般的な家庭を舞台に、メイドと生意気なガキとの交流を描いたホンワカストーリー…ではなかった。
経済苦で疲弊し選択を誤る両親と、メイドに心を開く少年の姿が対照的で、なかなか切なく重い。
何も解決することないが、幼少期の儚い思い出に触れたような、気分になりました。
ひでみ

ひでみの感想・評価

3.8
シンガポールの映画は初めて観たかも。普通の家庭の普通の話なのかな。出会いと別れとか。
Tyga

Tygaの感想・評価

4.3
心が暖まるというのとは違うが、「生活をせねば」という気にさせられる映画。

筋としてはバラバラに悩みを抱えていた家族のもとに派遣されたフィリピン人のメイドが、問題児(でも途中から可愛く見えるんだ…)の一人息子の心を開いていくというお話。

家族の在り方が変わって行き、「おふくろの味」も「メイドの味」に負けてしまう。

画の暖かめな色合いに騙されるが、共働きや出稼ぎ、不況に自殺など現代社会の問題を山ほど抱えている。

ラストも決してバッドエンドでもハッピーエンドでもなく、ただそこには思い出(初恋なのか第二の母なのか?)だけが残る。
きっといい方向に転がるはずだ、と僕たちは祈るしかない。

葬式に茶々を入れるジャールーを怒っていたテリーが、夜に葬式のせいで通話が出来ないシーンが印象的。
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