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エル・トポのおてつのレビュー・感想・評価

エル・トポ(1970年製作の映画)
4.8
アレハンドロ・ホドロフスキーが『ホーリーマウンテン』以前に監督した伝説のカルト的人気を誇る映画。

冒頭、ホドロフスキー自身が演じるエル・トポ=モグラは息子に「7歳になったのだから、玩具と母親の思い出の写真を埋めろ」と指示する。子供と砂漠を彷徨う内に、村の多くの人々が殺されている現場を目撃するが、その主犯である荒くれ者3人を早撃ちで殺害し、更にはその者達のボスである「大佐」の陰茎を去勢させ、自殺させるまでに追い込み、一件落着かと思われたが…エル・トポは大佐の愛人に恋をし、子供を修道院に捨て、その女性(マーラ)と共に砂漠に旅立つ。砂漠を放浪するうちに、マーラが「私を愛しているなら、砂漠のどこかにいる4人の達人的ガンマンを倒して…」と言うというのが最初の30分くらいのあらすじ。

全編を通して、シュルレアリスムを纏いつつも、ありとあらゆるシーンが絵になる程に美しく、魅力的で最後まで夢中になって観てしまった。前半、主人公は自称神を名乗る程の傲慢さを見せるが、後半になって、今まで見てきた不条理の数々を回顧し、その受動者(奴隷達)の為に戦う。その姿が前半との明らかな対比になっていて、人間の感情を描くのもとても巧妙だなと思いました。鑑賞後は、気持ちの良い余韻に浸れるので、ホーリーマウンテンより個人的には好きです笑笑
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