この作品は潜入捜査物の香港映画、香港映画のこの手の代表作というと、「インファナル・アフェア」があるが、本作には香港ノワールの深みや重厚感は無い。
どちらかというと、人間ドラマよりスリリングな肉弾アクションに重点を置き、ドニー・イェン演じる主人公ロンの組織の枠に嵌らない、食み出し者の魅力を前面に出している。
そして、ジン・ティエン演じる主人公の相棒になる男勝りなエリート女刑事ジンとのバディ物になっている。
「ポリス・ストーリー／レジェンド」で彼女に注目したが、2013年北京四大美人女優に選ばれただけあって、その美しさを遺憾なく発揮し、更にはドニー・イェンに負けず劣らず切れ切れのアクションを繰り広げる。
この2人に対峙する敵役サニーをアンディ・オンが演じ、彼らと激しい火花を散らす。
ある意味アクションが主役の本作では、「るろうに剣心」のアクション監督・谷垣健治さんと日本のスタントチームが協力して、クンフー・アクションに総合格闘技の要素も取り入れたリアルなガチバトルが随所で展開される。
特に終盤のカーチェイスやタイマンバトルはど迫力でスリリングなのでハラハラ、ドキドキする。
母子家庭で、母を早く安心させる為にやくざな潜入捜査員から足を洗いたい主人公の願いは叶うのか？
悲壮感の無い、笑いの要素もある香港ノワール潜入捜査物もたまには良い。
