ゴリアテの憂鬱

不正義の果てのゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

不正義の果て(2013年製作の映画)
4.2
タイトルは『不正義の果て』

『SHOAH』には収録されなかった本作の主人公は、ナチスが国外向けとして作った〝模範的〟ゲットー,テレージエンシュタットの最後のユダヤ人長老ベンヤミン・ムルメルシュタイン。

上沼恵美子もビックリのマシンガントーク&林修先生もビックリな博学、そして例え上手。

顎下にニワトリみたいに垂れ下がった皮膚といい、かなり強烈なキャラでした。

ゲットーの長老とは、ナチス親衛隊から住人の管理を任される立場な故、同胞のユダヤ人への厳しい行いや、時には命の選択さえも決断しなければなりません。

この長老はその点、ナチスに信頼されるくらい上手くやっていたのでしょう。
しかし、本人はナチスを納得させながらも、ゲットーのユダヤ人の暮らしが少しでもマシになるように手を尽くしたと言います。

実際そうだったのかも知れません。

アイヒマンに関する発言や、他のユダヤ人長老などの当時のエピソードは、おそらくは真実で、その人物像が少しイメージできました。

本作だけでも3時間40分くらいありましたが、SHOAHを観た今の自分には、集中力が漲っていました。

『SHOAH』を観られた方は、ぜひこちらもオススメします。