もえ

日本のいちばん長い日のもえのネタバレレビュー・内容・結末

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

1967年版の感想【https://filmarks.com/movies/31587/reviews/103202022】

2015年版ということで言葉も多少理解しやすくなった。(とはいえ専門用語・当時の背景はやはり難しい)カラーかつ音声が聴き取りやすかったため得られる情報量が増えたのがよかった。
前作と比べ導入の会話が四方八方していたため入りにくかったものの、シナリオの構成が大きく「阿南」・「決起」と分かれているのはシンプルでわかりやすい。

大きく二つに分けたためドラマを入れる要素も多く、特に阿南の人柄や葛藤、死に様は前作より力が入っていた。個人的には前作の匂わせる葛藤と潔い死が好きだったので、好みかなと思う。

決起は前作と比べ、畑中が潔くなっていた。前作の畑中は同情はするがどこか間の抜けた青年であったため、すぐ引き金を引いたシーンなどは恐怖を感じた。
前作の感想でも書いたが、今まで戦争で死ぬと教わり生きてきた若者達が急に上層部から白旗を挙げると言われた時の怒り、悔しさ、憤り、悲しみ、死んだ同僚達の無念が迫力に出ている。

モノクロからカラーになったことで異質さがなくなり、現実味を帯びたため「身近なもの」だと感じた。阿南が切腹する際「介錯しますか」と声をかけた時、一軒家の身近な光景を感じてしまい(こんな時に声をかけるなよ)と少しシュールで笑ってしまった。

侍従のシーンは少なかったもののコミカルでクスッとした。
わかりやすくとなったが、決起内容が録音した玉音放送を奪うことであることは重要なのではないのかと感じた。
個人的に鈴木首相の「暇乞いをしにきたんだね」が好きだったので、今作も残っていてよかった。
もえ

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