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日本のいちばん長い日のkarafのネタバレレビュー・内容・結末

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ】
1945年4月、太平洋戦争において日本は窮地に立っていた。囁かれる降伏、本土決戦。天皇、陸軍司令、総理大臣各々の考えが交錯する中、東京大空襲、広島長崎への原爆を受けポツダム宣言受諾を決定した。しかし、一方で本土決戦を望む陸軍の一部。天皇の終戦を告げる宣言を録音し14日の夜。陸軍の一部がクーデターを敢行。陸軍幹部を殺害し、偽の命令文を作成。宮内省に押し入り、音声盤を探す。また一方で上層部を説得する。しかし、彼らの願いは届かず、自決。一方で陸軍司令は自宅にて、自害した。そして粛々と天皇陛下の終戦を告げるラジオが流れた。

【レビュー】
随分昔に岡本喜八版を鑑賞済み。史実が否かは勉強不足のため、あらすじに関しては触れないで感想を書こうと思う。
まず昔に見た岡本喜八版は14〜15日だけの1日を描いて気がした(以下記憶違いがあったらすいません)。印象はなんといっても黒沢年男の熱いパワーだった。その迫力に軍部の闇を垣間見れる演出だった。
本作では松坂桃李がその役であったが、お芝居としてはなかなか良かった。でもイケメンでもかるかもしれないが汗臭さが無かったのが残念。もっと口の隅に泡とか溜まるくらいの汚さがあってもいいのでは?
大枠は綺麗にまとまっており楽しめた。役所広司もこういう役やったらすごいな。ただ前半は山本五十六にしか見えなかった。
カット割が早く見ていて気持ちいい。岡本イズムを引き継いでいるのか?原田監督作は初見だが、緊張感がカット割やスイッシュ、早いズームなどが有効に使われると思い、最近日本の映画にある、やたらゆっくりドリー、HSをできるだけ抑えていたのは良かった。畑中が撃つ時は本当にスローにしなくてくれてありがとう。
ただクライマックスがあっさりすぎかと。みんなあっさり死にすぎでは?最後の1人になるまで戦う男達がこうもあっさり自決は残念。史実だったは仕方ないがそこは盛ってもいいのでは?

好きな所は映画のテンポ
嫌いなところはあっさりすぎるクライマックス

【自分が作るなら】
降伏、本土決戦、どちらも正しいと解釈できる現状であったがやはり、降伏に行くだろう流れが強すぎたので(結果を知ってるからもあるが)そこで国民の会話などを挟んで、当時の日本の建前と本音をいれたら、戦争の本質を掘れると思う。
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