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スター・トレック BEYONDのminoriのレビュー・感想・評価

スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)
4.0
オタクのオタクによるオタクのためのSF映画!
純粋に面白かったです!

リブート版3作品の中で一番好き。

ペグちゃんが脚本メインで手掛けるって知った時点で「あー、オタク色強めなんだろうなぁ」って思ってたけど、その予想を良い意味で裏切らずにオタク全開でぶつけてきてくれたのが良かったです。(笑)


ドラマシリーズへのリスペクトが随所に感じられ、最終的には「融合」まで果たせたと思います。
終盤に、ある画が写った瞬間、本当に泣きそうになりました・・・。
別にトレッキーというわけではないんだけど(どっちかっていうとむしろSW派)、こういう形で別アース(パラレルワールド)で色々できるっていうのがスター・トレックシリーズの一番の強みだよなぁ・・・と感じました。

今回、それぞれのキャラがバランス良く活躍していたのも良かった。
こういう登場人物多めな作品だと、一気に1人か2人に焦点が集中しがちになるけど、割と満遍なく皆の行動シーンを作ってくれたので、個人的にそれぞれのキャラクターへの愛着みたいなのが強まった気がします。

カークは過去2作から明らかに成長し、キャプテンとしての威厳が板についており、スポックはより人間らしさを増していて、キャラクターとしてもとっつきやすくなっていました。

あとボーンズとスールー。
ボーンズは相変わらず「俺は医者だー!(泣)」って言いながらも色んなことさせられてて面白かった。(笑)
あとスールー先輩イケメンすぎ・・・皆が「無理ー!できないー!頑張るけどー!」ってなってる状況下でも「できます(断言)」ってなるスールー、マジ男前だた・・・!

ある場面で、クルーたちが矢継ぎ早に台詞を続けていくシーンがあり、まさに全員がツーカーって感じで息がピッタリなのも良かった。
ラストにリレー形式で台詞を言っていくのも最高でした。

前2作の小ネタをちょいちょい有効活用してたのも良かったです。
監督が変わったことで映像・CGがかなり変わったけど、ストーリーライン的なものはそのまま継承していたのが嬉しかった。

SW ep7しかり、JJのCG映像ってJJ自身のクセ(急なクローズアップや宇宙船および戦闘機の動きが物凄くスムーズ)みたいなものがかなり織り込まれているんだけど、それとはまた違ったアプローチでジャスティン・リン監督が細かく映像を創りあげてきて、尚且つそれが成功していたので、見ていて全く飽きることはありませんでした。

一般の人にも、もっと観てもらいたいなぁ。
微妙な時間帯っていうのもあったんだろうけど、私が観に行った時は半分ちょっとしか席が埋まってなくて正直ビックリしました。
天下のスタトレがこの結果はちょっと寂しいし、なんだか悔しい・・・。
別に前2作を観て無くても話に全然ついていけると思うし、「宇宙船で仲間たちと共に航海し、一度は全員離れ離れになるけれど、再集結し、団結して悪と戦う」っていう、もう王道的な映画だから、「シリーズ物とかちょっと・・・」と思わずに観に行ってほしい。


アントン・イェルチンとレナード・ニモイへの追悼の意もしっかりと作品に込められており、とても胸に刺さりました。
アントン君、まだいってしまうには早すぎるよ・・・。
スター・トレックは本当に全員が家族なんだということが伝わる場面が数多くあり、監督・スタッフ・キャストたちの強い絆を感じました。




↓↓↓ここから少しネタバレあり!読む際は注意!↓↓↓
























冒頭、ボーンズとカークがチェコフの酒をこっそり飲むシーン。
風の噂ですが、あのシーンはアントン君が亡くなった後に追加で撮影されたものだそう。
あの「3つ」のグラスでの献杯は、カークの亡き父に捧げると同時に、
アントン君への献杯でもあったんだと思います。
あと、レナード・ニモイ氏が撮影の前後に亡くなったことで、作品のなかでもスポック大使が亡くなり、こちらの世界でのスポックがその意志を継ごうとするというストーリーが出てきたのにも胸を打たれました。
ドラマシリーズ・旧劇場版・新劇場版、全てのシリーズが一体となり、
まさに家族として一人ひとりを尊重しているのが、素晴らしかった。



とにかく、SF好きとしては満足な作品でした。
今後の作品にも期待。
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