東京満月

あんの東京満月のレビュー・感想・評価

あん(2015年製作の映画)
4.8
2016年12月3日『あん』上映後トーク
(注)所々ざっくりであいまいな点アリ、ご了承下さい。
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永瀬さん)この間河瀬直美監督の新作の撮影が終わったばかりで、監督が一回だけ僕を千ちゃんと間違えて呼びました(笑)
司会)それくらいあんの千ちゃんが来たと。
永)ありがたいことに今でも日本で世界の色々な国々で上映が続いている。今も監督はシンガポールへ行ってらっしゃる。そういうのもあるかと。
司)あんで思い出深いこと。
永)僕はこう見えて、こんな格好してるけど恥ずかしいところがあって、めったに試写へは行かない。一人でこっそり観る。あんは劇場で皆んなで一緒に出来上がったものを初めて観て、観終わった後に樹木希林さんを思わず抱きしめてしまい…耳元で幸せになってね、と。徳江さんが千太郎に言ったのか?樹木さんが永瀬に言ったのか?樹木さんは代えのきかない素晴らしい女優さん。
司)河瀬監督はどんな演出を?
永)演者としてものすごいありがたい現場で今はめったにない順撮りをする。お芝居をしちゃダメ。常に千太郎でいなくてはいけない。よーいがかからない。いつ始まっていつ終わるのかが分からない。
司)樹木希林さんからあん作りを教わるシーンはドキュメントを見ているようでした。
永)本当に作ってますから!結構時間かかりますねってホンネだったり(笑)希林さんが眠そうにボーっとしていたり(笑)
司)ずっと役名で呼んだり千太郎さんは実際アパートで暮らしてましたが。
永)偉い方が陣中見舞いに来て頂いた際、永瀬さんと呼んでいたのをめちゃめちゃ怒られてました。千太郎、千ちゃん、店長、店長さんと呼ばれてました。ガランとしたアパートでしたね。
司)ずっと千太郎でいるのはキツかったのでは?
永)僕にとってキツかったのは樹木さんに朝ご挨拶に行けなくて。大大大先輩なのにシレッと撮影が始まっちゃうのが...
司)内田伽羅さんとの共演について
永)あのままなんですよ。可愛いですよね。イマドキぽくなくて、ロンドンに留学しているので日本語の方がちょっと下手くそで、流行り言葉を知らなくて、その感じが可愛いかった。3人組も可愛いかったですけど。
Q)撮影は穐山茂樹カメラマンでしたが。
永)監督の要望で存在感を消していらした。なんとも言えない味のある画に仕上がっていた。
(ここからQ&A)
Q)演じる上で大切にしていることは?
永)映画はドキュメンタリー以外は架空なのですが、嘘を重ねると皆さんに読まれてしまう。その役を(心を?)生きるよういつも心がけている。(←ここの答え超あいまいです、スミマセン)
Q)ミステリートレインでジッポの火をつけるシーン。ジョーストラマーさんは出来ないと。永瀬さんは元々出来たんですか?それとも練習をメチャメチャやったんですか?
永)ジムジャームッシュ監督はリハというかアイデア出しをキッチリやる方で。このシーン何かつまらない、アイデアない?という時たまたま僕が見せちゃった。たまたまぽっと投げたら内ポケットに1回で入っちゃってそれは面白い!と。ジョーストラマーは出来ないので一生懸命練習していた。ゲップをするシーンではコーラやビールを山ほど飲んでた。
Q)今まで色々な職業を演じられてきましたが何が印象に残っているか。
永)それぞれですが...一番気をつけているのは、高校野球の監督を演ったことがあり、ある映画祭で壇上からお餅を投げることがあって(釜石ですね)絶対ストライク入れてやろうと。(←KANOネタを入れてくれる嬉しさに感涙!)
Q)あんのエンドロールでメンタルケアとありましたが。
永)すごいところ見られてますね〜。監督がつけられたマッサージ師さんで『光』でも帯同していた。毎日のように昨日も大変でしたね〜という流れで和ませてもらいながら身体をほぐしてもらっていた。
Q)四国の大島にハンセン病施設があり、瀬戸内国際芸術祭で訪れた。家の感じが似ていた。撮影した施設は実際あるものですか?
永)東村山市にある多摩全生園で撮影した。希林さんは実際そこで生活したかったが許可が下りず寝泊まりは出来なかったが、撮影中そこで生活をされた。
Q)大島の施設があまりに綺麗で罪悪感があったが、映画の施設も綺麗で安心した。
永)最後にどら焼きを屋台で売るシーンは実際施設内にある公園で撮影した。本当にお花見に来ていた一般の方に売っていた。お金は頂いていませんが。20個下さいと言われてものすごい焦ったり、2個と言われてホッとしたり(笑) 施設の中の公園で今は皆さん楽しく過ごしていらっしゃる。よろしいのではないでしょうか。
Q)濱マイクの続編は?
永)もう走れねーからなー、、、よく言って頂けるのですが。じゃあ作って下さいよ!(の後にリクエストに応えて決め台詞を)『困ったことがあったらいつでも来なよ!』すごい恥ずかしいんですよ〜(照)
Q)秦基博さんの主題歌について
永)秦さんにお会いした時、あのエンディングを聞くと冷静でいられない、もう一つの千太郎の物語が歌われてる気がして不思議な気持ちになる、とお伝えした。こういう機会では皆さんと一緒に観てお話させて頂ければと思うが、何も喋れなくなるので極力観ないで冷静に登壇するようにしている。特別な曲になった。
司)最後に一言
永)実はまだ社会復帰が出来ていなくて…河瀬監督の最新作『光』の役からというか気持ちが抜けないまま過ごしている。3作品上映し各回最後に拍手を頂いてこれから前に進もうという気持ちにさせてもらいとても良い日になりました。今日はありがとうございました。
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