池松壮亮さんと松岡依都美さんのお顔に『海よりもまだ深く』が連想され、随所に見える是枝作品ぽさに心踊る。
自らの死を予期していたかのように夫の前から突然去る夏子。妻の死に一滴の涙も流せなかった幸夫は、様々な経験を経て、自らの醜さと本性に向き合い、心の底から湧き出る言葉を綴れる小説家になった。死をもって夫の才能を引き出し、自らへの愛情も取り戻したかったのか？
子役2人が可愛すぎて、それはそれは愛おしく思えるのだが、決して綺麗な部分だけではない。子供ながらの残酷さや感情をストレートにぶつけてくるところも、戸惑いながらもそれに向き合う大人の心情も丁寧に描かれていてとても素晴らしい。
