ひかる

バケモノの子のひかるのネタバレレビュー・内容・結末

バケモノの子(2015年製作の映画)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

細田守さんの監督した映画では「時をかける少女」、「おおかみこどもの雨と雪」はめちゃくちゃ好きです。

が、根本と言いますか細田さんがやりたいことをやろうとすればするほど歪で伝わらない映画が出来上がるように感じてなりません。

前述の「時をかける少女」じゃ原作ありでもありますが、独自テイストで切ないボーイミーツガールのお話を描いた傑作。

「おおかみこどもの雨と雪」はもし現実に狼人間がいて、そのハーフの子どもがオオカミとしてか、人として生きるかを派手な表現を控えて繊細に描かれ共感する場面ばかりです。

ただ今作に関してはそもそも描きたいものが不明瞭です。

異種の親子(師弟)の歪ながらも深い絆?
深い絆が築かれる明確な場面も表現もなくあっさり過ぎます。

ポッとでのボーイミーツガール?
劇中中盤で人間社会に久しぶりに触れ、勉強に目覚め、最終的には人間社会で生きていこうと決めるのですが、なぜ勉強しようと思ったのか?バケモノ社会より人間社会を選んだのか?
そもそもでいうとヒロインの楓に惹かれるキッカケすら描かれていません。(一応ないことはないけど浅すぎる、蓮(九太)がそのシーンで惹かれている表現もない)

最後の敵が同じバケモノに育てられた人間の子だが、写鏡にするにはポッとですぎるのと敵対するには理由づけが不明確。
親同士が宗師を巡るライバルだとしても相手が一方的に九太に恨みを持っているようにしか感じない。

仮に写鏡として成り立ったとしても光と闇をテーマにするにしても「鉄コン」にはなれません。

そもそもでいうとバケモノに拾われた人間がどう育つのかっていうテーマかとは思いますが、別にバケモノじゃなくても同じようなテーマで描けるよね?というくらいにバケモノである必要性を感じませんでした。
ビジュアルと広告ポスターのインパクトしかありませんね。

色々書きましたが一番解せないのは派手にしたかっただけにしか感じない、テンポも乱す無駄な表現の数々が理解出来ませんでした。
ひかる

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