キョーカイ

バケモノの子のキョーカイのネタバレレビュー・内容・結末

バケモノの子(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

思ってたよりも深いメッセージ性がある作品だった。

サマーウォーズとは違い、観客が自分で場面の意味を考える箇所が多いため、サマーウォーズのようなわかりやすいファンタジーが好きな人からは不評かなと思う。
映画にはメッセージ性が欲しい自分にとってはとても良い映画だった。

テーマは「親子愛」と「人間の心の光と闇」。

心の闇を鯨で表現している点が印象的だった。ファンタジーだとクジラは神秘的でプラスなイメージで描かれることが多いのに今作では人の心の闇が膨らんでいく様子を表す不気味な存在となっていた。
図書館で「白鯨」を読んだ楓の「この人は鯨と戦ってるんじゃなくて自分自身と戦ってるのかも」って発言が印象的。

久太は熊徹の力もあり最終的に、心の闇に打ち勝つが、一時は闇に取り込まれてしまった一郎丸も完全な悪役にせず、最後に闇から戻ってくる場面が描かれていたのも印象的。
人は時に闇に飲まれてしまうこともあるけど、更生すれば再び光を取り戻せるってことを表してるのかなと思った。

楓が何度も言う「蓮くんが自分で決めるんだよ。」って発言も心に残る。
自分も含め周りの人に流されていろんな決断をしてしまう人が多い世の中に対して、自分のことは自分で決めろ!っていうメッセージだと感じた。


絵が凄くキレイだった!渋谷交差点やセンター街、代々木体育館などが1店舗レベルまで忠実に再現されてて、「君の名は」の新宿に並ぶくらい絵がキレイだった。

熊鉄が迷うことなく命を落としてまで
久太を救おうとする場面で涙腺崩壊...

染谷将太と広瀬すずは流石に声の演技も上手かった。