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バケモノの子のkeroleonのレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
2.8
私は細田守監督作品をほぼ観ていて『時をかける少女』は毎年夏の恒例儀式のように必ず観る大好きな作品なんですが、その個人的な観点から。

バケモノの世界に迷い込む前半はかなりワクワクしたしキャラも立ってて面白かった!映像も華やかで美しいし満足度高い。
でも後半になりグダグダ&やっつけ感がすごい…
ご都合主義が目立ちツッコミどころ満載だったのが残念。あれもコレも!って欲張りすぎないで、一つ一つをしっかり掘り下げてほしかったなぁ。

熊徹と九太の絆をもっともっと観たかったし、現実世界に安易にヒョイヒョイ戻りすぎるのもなんだか興ざめでした。ヒロインはおろかメインキャラ達ももっと深く掘り下げて描いてほしかった…もったいないのひと言!というかこのヒロイン、いる?!魅力が分からなかったし、キャラクター全般に感情移入できず。
2時間じゃ描ききれない世界観なんだとは思うけれどもね…
今回の作品で初めて1人で脚本も監督も手がけたという細田さん。テーマは分かりやすくダイレクトに伝わるものの、響くのはマスだけなのではないかなぁ。

細田監督の最高傑作(と信じて疑わない)『時かけ』を超えることは出来ないのかしら。新作観るたびに遠のいてく気がして、好きだからなおさら悲しくなってしまう…残念でした。
細田さん「今後の邦画アニメーション界を背負っていかなきゃ!」て色々気負いすぎなんじゃ??気合がカラ回りしてるよ〜。周りのプレッシャーも。本当に撮りたいものは何なんだ?

それでも、観終わった脚で渋谷の歓楽街に行き、路地裏をコソッと覗いて妄想をふくらませてたのはナイショ。

2015.7.19
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