hatthi

怒りのhatthiのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
5.0

「信じることの難しさ」
あなたはどんなことがあっても
大切な人を信じることができますか?



キャストが豪華で気になっていたので
初日に観に行ったが、心の準備をしてないからか観終わったあとしばらく席を立てなかった。
そこからも何をしていても「怒り」のことを考えてしまって気づいたら1週間後にまた観に行ってた。笑
その後もまた観に行って映画館では3回観た。
そんな映画は初めてだったのでとても衝撃を受けた。
私も怒りのような映画を作りたい!
それが私の夢になった。


この映画を観て生きる上での価値観が変わった。
綾野剛の
「疑ってるんじゃなくて信じてるんだろ。」
は、映画を観終わってからもずっと脳裏にあった。
信じてるからこそ疑ってしまう。
信じたいからこそ疑ってしまう。
人間は疑いを重ねて本当の信頼関係を作っていくんだなと思った。

1番苦しかったのはすずちゃんの米兵のシーンで何回観ても苦しい。
すずちゃんの
「私がいくら泣いたって怒ったって誰もわかってくれないんでしょ。訴えても悔しい思いするだけなんでしょ?」
が、凄く考えさせられる。
すずちゃんと同世代ということもあって
バイトの帰り道など米兵が出てきそうで一時期本当に怖かった。

途中からこの中に犯人は居ないだろう。と信じたい気持ちが沸いてきて犯人がわかった時には「嘘だろ。嘘って言ってよ。」と言いたくなった。

エンドロールの曲のタイトルが「許し」と出てきた時体の内側から色々な感情がこみ上げてきて涙が溢れてしまった。
信じきれずに疑って相手を傷つけてしまっても、相手から許しを得ることでより深く信用して関係も深まる。それを教えてくれたような気がした。

観終わったとき、怒りとはただただ怒鳴ったりするだけじゃなくて、このどこにもぶつけようの無い感情も怒りなのだと思った。


すずちゃんは本当に素晴らしいと思う。
ただ可愛いだけでドラマや映画に出てるのかと思っていたが演技力もしっかりあるとこの怒りを観て感じた。
将来、どんな女優になるのか楽しみです。




この「怒り」は私のNo.1映画だ。
この映画を観る時は是非犯人は誰だとか推測せず全員を信じて観てほしい。
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