Hikariii

怒りのHikariiiのネタバレレビュー・内容・結末

怒り(2016年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

「怒り」

衝撃的の作品。自分で思い描いていた結末とは全く違うものでした。

すべてのキャストの表情、声、視線、演技の全てでその人物の奥に潜んでいる「何か」を捉えていたと思います。その「何か」は一人一人で違っていて、心の深くに眠る、何か大きくて、周りには見せびらかすことができないもの、伝えられない秘め事、などが言葉にはなっていない所からひしひしと伝わってきました。

作品を見ている間、自分自身もその映画の中に入り込んだように、なんとも言えない漠然とした恐怖、焦燥感に駆られました。事件の鍵を握る人物なのか、はたまた普通の人物なのか、作品を見ている中で予想をつけてもことごとく裏切られました。でもこの作品の中で普通の人などいなくて、すべての登場人物にも心の奥深くに眠る大きな感情があって、大切な人を疑い、大切な人を信じてあげれなかった自分自身への怒り、大切な人を守れなかった怒り、様々な観点からの「怒り」が感じ取ることができました。その感情は普段の生活の中で私たちも受けているかもしれない。でも、その予想を遥かに超えた、すぐに怒れる、怒鳴り散らせる程の薄っぺらい怒りではない事は確かでした。すべての人の心の奥深くに根付いている、大きな、忘れるこのできない、悲しみ、悔しみ、憎しみが、静かに大きな怒りになっていったのかなと思いました。

3人のキャストを全員疑ってかかれて、最後まで誰が犯人かもわからなかったし、でも、ただの犯人が見つかった!だけのドラマ劇では無く、それ以上にもっともっと深いものを魅せられました。

すべてのキャストさんの演技が素晴らしかったです。ですが、個人的には綾野剛さんの演技がとても繊細で美しく感じることができました。華奢で薄くて、透き通っているような、不思議で得体の知れない、そんな雰囲気がとても美しかったです。

そして、坂本龍一さんの音楽、これが本当に素晴らしかったです。サントラ買ってしまいました。音楽からも感情がひしひしと、伝わってきました。

以上が「怒り」の感想です。

似たような事を繰り返し書いていて上手く言葉がまとめられていませんがそこは申し訳ないです…。
Hikariii

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