おはゆり

怒りのおはゆりのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.8
広瀬すずちゃんってあんまりお芝居を見たことがなかったんですが、この映画で見え方が変わりました。女優さんなんですね、あんなに若いのに。10個以上も年下の女性に圧倒されました。
漫画原作とかいっぱいやるよりも、こういう映画にたくさん出て欲しい女優さんだな。
また、それ以上に豪華俳優陣なんて、語らなくてもわかるくらい名を連ねた人たち。
どのシーンも、浮くことなく、全ての人の苦しみが、悲しみが、そして怒りが痛かった。
渡辺謙さんの存在が飛び抜けていたのは言わずもがな。娘役の宮崎あおいちゃんも、信じてあげたかった思いを爆発させた時の泣きの演技はさすがのひとことでした。
「疑ってるってことは、信じてるんだろ」
綾野剛さんのああいう薄い役柄の演技も初めてみました。何でもなれるんだなぁ。俳優さんって。綾野剛のラストはあまりに切なくたまらなかったなぁ。妻夫木さんが泣きながら、歩くシーンは信じ切ってあげられなかった後悔なんだろうか。全ての真実をどうか誰か教えてくれないかな。気になることがたくさんありすぎて。
森山未來さんは、もう本当に誰なんですかあなた。カメレオンのような彼の演技に口を開けっ放しにしたまま夢中で見続けた沖縄のシーン。だからこそ、もっと彼の過去を描いて欲しかったかも。ただの頭狂ったやつ??彼の怒りの根源はどこから来たのだろう。わからないことだらけ。
何とも言えない感情に包まれて、劇中では泣かなかったくせに、帰り道バイクを走らせながら自然と泣いた。
私にも、本気が伝わらない怒りがいくつもいくつもある。きっと、誰しもが大小関係なく許せないことを持ち続けて生きてる。
私も広瀬すずちゃんと同じように叫びながら帰ったんだ。自然と「うわー!」と。大きな声で。きっと近所迷惑だったけど。
でも、それくらいたまらなかった。
製作陣に願うのは登場人物の誰かを、きっとこの先幸せにしてあげてくださいね。ハッピーエンドは似合わない映画だけど。松山ケンイチさんくらいは幸せを手に入れてあげさせてくださいね。

あとね、これはR指定入れるべきかな。
そしてDVDで1人でみちゃダメなやつ。
引きずって、多分次の日体調不良になる。
だから、映画館でせひ見てください。
おはゆり

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