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怒りのwestのネタバレレビュー・内容・結末

怒り(2016年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

自分は大切な人を信じることができているのか。
信じるべき相手とは、誰なのか。

どのレビューにも書いてある、"映画三本分"の意味がよくわかりました。
とにかく、重い。
とんでもなく体力と精神力を削られます...。
ですが、間違いなくそれだけの価値がある、素晴らしい作品でした。

まず、渡辺謙さん演じる父親が言われていた、「自分の娘が幸せになれるはずがないとか、思ってない?」という発言。グサリときました。
父親が信じていなかったものの正体、それは身元不明の男ではなく、実の娘でした。(娘も娘で、こんな自分はワケアリな男としか一緒になれない...的なことを言い出す始末)
なんだか、言葉にできないけれども、身に覚えのあるような不思議な感情が込み上げてきて、泣きたくなりました。

広瀬すず演じる女子高生は、ただただ不憫で...。引っ越してきたばかりで心の居場所がなかった彼女は、信じるべき相手を、心を許す相手を間違えてしまったのでしょうか。
とりあえずあそこで酔っぱらった男子高校生殴りたいし、何より例の事件の真犯人がクソ野郎過ぎて数日引きずる…。

そして、妻夫木聡と綾野剛の、誰も触れない二人だけの国感最高。(♪ロビンソン)
この二人の、作中には描かれることのなかった、行間を埋める映画を一本作ってほしい。ただ一緒に寝起きして、ご飯食べたり喧嘩したり、ありふれた日常を共に過ごすところを隠しカメラで撮っていたい。私が。
だってもう最後の、施設育ちで...っていう真相が分かるシーン、泣くでしょ???私は泣いたよ...あれは反則だよ...。隣の墓なら入ってもいいかな、とか.....あのさぁ~~~!!!(号泣)

結論として、万人に軽々しくオススメできる作品ではありませんが、フィルマークスのレビューを読んで少しでも興味を持った方には見てほしいと思う、見たらきっと明日からの何かが変わる、そんな可能性に満ちた作品だと思いました。
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