タイトル通り "怒り"という言葉を多面体として 表現しきった濃厚な作品
賽子のように次々と振られていく 人物像と場面場面であっても その都度強烈な印象を脳裏に焼きつけ
常に観る側が勝手な想像を抱く第三者の立場でいさせられる事で 登場人物それぞれが持つ感情を 終盤で流れ込むように感じとれる構成が良かったなぁ
被害者として 加害者として
理解できぬ 理解されぬ
言えないままの 言ってしまった事での
あらゆる方向 あらゆる角度から
放ち 放たれる "怒り"の
目に見えぬ刃の鋭さに 内心がえぐられた気がした
ホント日本を代表する俳優を結集させた力の入れようも見所だったけど やっぱ渡辺謙の演技は首ひとつ抜きん出てたなぁ
閉じた口の中で歯を軋ませてんのが伝わってくるような 押し殺した感情の凄まじさ…