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怒りのなのネタバレレビュー・内容・結末

怒り(2016年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

すずちゃんのシーンがあったり、沖縄を描いていることで好き嫌いが別れる映画だと思うけど、私はこの映画の雰囲気全体が大好き。時間が経ってみたら、再び見たくなるような映画。
私は群像劇が大好きだから、この映画もものすごく好き。

青山の墓地、海綺麗だったよな。あそこに入れるなら、死ぬのも悪くないな。

『一緒の墓に入るかって、この前俺に聞いたろ』『一緒は無理でも、隣ならいいよな』

この会話のシーンは何度見ても苦しくなるし、綾野剛の遠くを見つめている横顔と夕日がものすごく美しかった。それに加えて坂本龍一さんの劇伴、サントラを何度も聞いているけれど、1曲が長い。迫力がある所、繊細なところ、映画を表しているようで劇伴もとても好き。

真実がわかるまで、辻褄が合うように考えてしまう。高畑充希ちゃんと妻夫木くんのシーンからが特に涙無しでは観られないというか、こみあげてしまう。

とにかく映画の世界観に惹かれる。景色がとても綺麗。
映画の雰囲気と景色の綺麗さの対比が苦しくなる。
一言では言い表せない雰囲気の映画で、心地いいシーンと苦しいシーンの差がすごい。

すずちゃん演じる泉のラストシーンは印象に強く残る。
『泣いたって怒ったって、誰もわかってくれないんでしょ』『私そんなに強くないもん』と浜辺で嗚咽しながら叫ぶシーンがあり、でも彼女は最後それを怒りに変えて真っ直ぐ遠くを見つめている。
泉が達也の気持ちをどこまで受け入れたか、島の建物の岩に掘られた田中の文章、それを見て何を感じたのかな。
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