真一

シン・ゴジラの真一のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
2.9
 再掲。リアリティーを追求した超大作🎥と言われる割には、死傷者を写したシーンがほぼ皆無で、首をかしげた。野村萬斎演じるゴジラ🔥は、 犠牲者を出さないよう、ゆらりゆらりと能の舞に徹しつつ東京都心🏙️を廃墟☠️にした?そりゃあ、無理でしょう😂

 さらに、国民の命に責任を負うべき政府・与党の幹部👥が、おびただしく出ているはずの犠牲者💀を気にする様子もなかった。「どこがリアルなんだ」と文句のひとつも言いたくなる。

 ただ、思い返せば、官房副長官の矢口(長谷川博巳)👤や首相補佐官の赤坂(竹野内豊)👤は、どう見ても自民党議員をモデルにしていた。自民党タッチの作品にした狙いは定かではないけど、もし監督に「国民🧍‍♂️が犠牲になっても意に介さない自民党政治のリアルを表現しました」と言われれば「なるほど!」といって膝を叩くと思う。

 また本作には、ゴジラ退治🚀に関わる官邸、防衛省、外務省や米国関係者が続々登場するものの、人命♿🏥を救う厚生労働省、子供たちの安全に責任を持つ文部科学省は、死傷者と同様にほとんど登場しなかった。人命の重さに焦点が当たると、作品全体🎬️のトーンに狂いが生じて面白味がなくなると判断したのだろうか。だとすれば、リアリティーを欠いた人権無視映画と言わざるを得ない。

 さらに言えば、野党とメディアも、刺身のつま程度の扱い。総理(大杉漣)👤が老人の姿をみてゴジラ攻撃命令の発動を思い止まったシーンを除けば、世論の圧力🙎‍♀️🙎‍♂️は存在しないかのようだった。批判勢力がなければ、政権( ̄^ ̄)にとってこれほど都合がよい話はないが、そういう国は一般的に全体主義国家🔫と呼ばれます。

 ゴジラ退治の企画・立案に熱中する変わり者官僚たち🧍‍♂️🧍‍♀️の描写は良かった。実際、こんな風になるのかなと思わせる説得力があった。テンポもよく飽きないけど、自民党推し映画の印象が付きまとった。
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