フォルスタッフ

シン・ゴジラのフォルスタッフのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.7
擦られすぎたんですよね。
確かに面白いし、ゴジラ映画に風穴を開けたと言う評価は頷けるものもあり、311の記憶が生々しい現代人に強く刺さったというのはその通りなのだが、繰り返し繰り返し視聴していく毎に庵野秀明の手癖と言うべきキャラクターたちと、後半に出てくる日米同盟美化描写でウッとくる。そもそもゴジラというのはビキニ環礁でアメリカが行った核実験によって誕生したモンスターであり、その根底には原子爆弾を落とされた日本国民のトラウマが基礎にあるはずなのだが、時代を経てそうした憎悪と恐怖よりも災害の方が重く感じられるようになってしまったのはどうにもならない事実とは言え、本来的なゴジラのモチーフとそこに纏わる感情を忘却するべきではないと感じる。