ボルト

シン・ゴジラのボルトのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

現代にゴジラが現れたらきっとこんな風にもなるんだろうな、と観ていた。

1954年の初代で痛烈に批判したのは、戦争と核。批判意識が全編にわたって染み込んでいたからこそ、初代ゴジラは名作になった訳で。
ならばシンにおいても「批判」は重要な要素。しかし今更戦争について批判をしても、それは初代の真似になってしまう。
じゃあ「今」出来る批判は何か?
思えば、承認を得ない限り動けないこの国は、一箇所にその承認の判を押す権力が集まり過ぎている。その手間は、その複雑さは非常事態の時にどんな効力をもたらすか?
思えば、この国には、核や武力を用いず最小限の被害に抑えられる方法を提唱できる、叡智を有した人材はたくさんいるはずだ。そういった人達の話すら聞かず、ハナから切り捨てられることだって多い。

とはいえ、「批判」だけが作品のキモでは無い。
そもそも『ゴジラ』という作品は日本生まれ。その日本の長所はなにか?
どんな災害に見舞われても、どんな天災に襲われても、必ずかつてよりも遥かに良く復興してきた力強さ。国民の団結力。それが、この作品でもゴジラを止めるキッカケになっている。
どんなはぐれ者だろうと、根に流れる血は同じ。諦めずに逆境を乗り越える力強い姿勢が好きだ。

しっかしまあ、とある音楽のタイミングがまさに初代と全く同じ、「あ、ここで来るな」と思ったと同時に本当に流れてくれたから鳥肌が立ってしまった。コンマ1秒まで指定した初代の音響担当と同様に、きっと庵野氏は指定したんだろうな。そこだけでも充分おなかいっぱい。
ゴジラの進化形態だとか、燃え盛る東京のゴジラとか。初代が大好きだから、この作品の至る所に込められた尊敬が嬉しくてたまらない。

石原さとみさんの英語の発音とかは苦手ですけど、ジャパニーズ発音だと思えばまあ……。

どうにかして言葉にして書いてみたけど陳腐な感想にしかならねえなあ!!!ままならん!!!
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