このレビューはネタバレを含みます
こいつはすごい。何度でも観たい。
今までのゴジラを知っているひとも、知らないひとも是非。
名前が流れていくだけのエンドロールをこんなに真剣に見つめた事があっただろうか。いや、ない。
ありがちなイチャラブもお涙頂戴も省く潔さ。日常に降って沸いた非日常を退ける為に、ひたすら仕事して、間に合わなくても頭下げながらギリギリで間に合わせて、それが成功で終わった時、いつもなら腕を上げて喜ぶ筈だけど、全身ヘトヘトで喜ぶ余力もなくて倒れ込むような充足感。それに似てる。というか、まさにそのままだ。
そして、それは日本で働く大人なら誰でも知っている。だからこそ共感する。
早口の応酬で頭パンクしそうなほど情報過多なくせに対比的に言葉の少なくなるゴジラの圧倒的な存在感の構成が上手いし、地味になりそうなストーリーを華のある映像と音楽で余りあるほど盛り立ててくれて良かった。
海外公開で字幕版が文字を追うだけの映画になってしまいそうで、自分が日本人で良かったと心底思った。
敢えて一つダメなとこを挙げるとしたら、全員がいいひと過ぎて、我先に逃げ出すようなクズが一人もいない(少なくとも官僚の中にはいない)とこが、日本人の民度が低くないとしてもリアリティに欠けるかな。