TaroSonoda

シン・ゴジラのTaroSonodaのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.7
今年1番良い意味で裏切られた作品。
4DXと2Dで2回鑑賞。

ごめんなさい。正直、見る前まではあまり期待値が高くありませんでした。
しかし、観てみるとビックリ、圧倒的完成度の怪獣映画でした。いや普通のエンタメ作品としても近年の邦画の中でトップクラスでしょう。


まず印象的だったのが、全編におけるスピード感と情報量。市川崑の「犬神家の一族」やスコセッシの「グッドフェローズ」を特に連想しました。
脚本も最近の邦画にありがちな無駄なサイドストーリーがなくて、シンプルなストーリーで色々な人に楽しめると思います。確かに、専門用語や政治の仕組みが分かっていないと厳しいところもありますが、そこには話の本筋が置いていないところが特に良かったですね。

映像面においては、今作ではモーションキャプチャーが使用されていましたが、間違いなく「そこに居る」感がありました。これは、野村萬斎さんの熱演があってこそだったと思います。怖さと絶望感に関してはGMKゴジラと双璧だと思います。

またテーマに関しても、1作目ゴジラに通じるものを感じました。今回はそれだけではなく、東日本大震災の要素も入っており、途中のあるシーンにおいては、ただただあの時の絶望感を思い出しました。
しかし、その絶望感の中からの後半の巻き返しは何度見ても心を打たれます。
特に、終盤のセリフ「日本はまだやれる」という言葉は、この映画のある意味白眉ではないでしょうか。

後世に残すべき、新たな日本映画の最高傑作だと思います!
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