Itsu

シン・ゴジラのItsuのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.0

今現在の日本の在り方に警笛を鳴らす作品。ゴジラの存在主体のパニック映画とはひと味違う作品でした。

突如東京湾に水蒸気が立ち込め、海底トンネルで事故が発生する。閣僚たちは事態に混乱し、原因を突き止めきれないでいた。そこに生物の〝尻尾〟の様なものが確認される。地球上で前例を見ない超不測の事態で、閣僚は、日本は後手に回り続けてしまっていた。

今の会議至上主義に皮肉を込めた作品でした。あれを決めるにも会議、前例がないから会議、あれを作るから会議、あれをしたいから会議。不測の事態で一刻を争う状況下でもそのプロセスを省略することは誰にもできず、ましてや政治の世界で失敗の覚悟を背負ってひとり責任を負う人間などいなく、当然のごとく総理に決断を委ねる。各々の思考や思惑などがありつつも、責任は総理に一任する。
日本社会も同じくして、危機に対して後手に回りことしかできず、どれだけダメージを負ってしまおうと当事者でもない限り取り戻せる最大の日常を求める。それにたとえどんな危険が潜んでいても。

日本の政治にも、日本社会にも目を覚ませと言わんばかりの政治映画。まぁそう言いたいがばかりに避難する人々のことをアホっぽく誇張していたんだとしていたらナメんなって話だし、シンプルに演技力不足なんだとしたらひどすぎた。あと石原さとみがアメリカ人設定は顔も英語力も無理あった。不自然すぎた。
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