白波

シン・ゴジラの白波のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.0
こんなゴジラが観たかった

2016年8月鑑賞
始まってすぐのタイトルバックで、並々ならぬ気合を感じました。
これは思ったより凄そうだと。
今回内容に触れる部分は割愛しますが、とにかく特撮愛に溢れた作品でした。
緊張感のある会話劇もうまく作用していて、見ていて本当ゾクゾクします。
音楽の入れ方も秀逸です。
この作品で楽曲の良さを再認識し、サントラが欲しくなった方も多いのではないでしょうか?
ハリウッド的な「家族を守る愛情」的なものを入れていないのも好感が持てます。
もっと言うとゴジラそのものへの切り込みも浅くしています。だからか「怪獣映画」より「パニック映画」のようなんです。
「ゴジラ」という「災厄」に立ち向かう群像劇で、膨大なキャストを実にうまく使っているんですね。
そのキャストもクセのある人ばかりなのがまた良い。
随所に古き良き特撮へのオマージュを感じさせる作りですが、ゴジラへの新しいアプローチもあったりと観ていて飽きさせません。
新幹線や在来線を使ったシーン等は、アイディアも含め実にアナクロでいて斬新でした。
また少し風刺的な要素もあり、政府や災害や自衛隊等、今の日本に直面した問題も描かれており色々考えさせられます。
そういった色々な要素がありながらも、先に挙げた膨大なキャストの会話劇もあり緊張感がずっと損なわず、最後まで実にテンポよく突っ走ります。
こんなゴジラが観たかった、そう思った人がほとんどではないでしょうか?
この作品はあまり前情報を入れず、少しでも気になるならすぐさま観ましょう。
進化した現在の特撮作品がそこにあります。
白波

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