碧

杉原千畝の碧のレビュー・感想・評価

杉原千畝(2015年製作の映画)
4.0
たまたまだけど、先日見た『赤い闇』と、"同時期に、謎のヴェールに包まれたモスクワへ行きたかった、実在の人物が主人公"という点が共通してる。

頭の良い人って、かっこいいなあ…。

唐沢寿明の、感情をあからさまには表に出さない演技がいいな。

第二次世界大戦の初期を東ヨーロッパから見るというのも興味深い。

リトアニアの日本領事館で、千畝の元で働いていた、ドイツ系リトアニア人と、ポーランド人の2人の職員にも興味を惹かれる。




【ネタバレ】



ウラジオストクで千畝のビザを通した、ハルピン学院時代の千畝の後輩という存在もあったんですね。

千畝は色々当局に睨まれるようなことをしても、天寿を全うできたんですね。良かった。

千畝のビザで助かった科学者が、アメリカに渡って原爆製造に関わった?らしき描写があり。そのこと自体は、結果としてそういうこともあるだろうと思う。
しかし、それを伝える元仕事仲間の手紙に「皮肉なことだけど、また別の命を救ったとも言えるかも」とある、その部分は到底受け入れられない。

外務省を辞めた後、千畝が貿易会社のモスクワ駐在員をしていたのは本当だけど、ニシュリと再会した場所は日本なんですね。
(映画の都合上、2つの出来事を併せて描いたんですね)

千畝が敗戦を知った後の場面で、夫人が「本当のピクニックみたい」と言うのが、ちょっと分からなかったのですが、ケーニヒスベルク(でしたっけ?独ソ開戦の時期を伺っていた時)でのピクニックが、諜報活動であることを夫人は知っていた、ってことなんですね。

Wikipediaを見てみると、この映画は分かりやすくまとめた(編集した)部分はあるとはいえ、全くの創作というのはほとんどなさそう。
碧