週刊誌記者の平泉成が街娼してる団地妻に喫茶店でインタビューしながら回想シーンを挟むという単純構成なのに何故こうも傑作になるのか。
まず長曽我部蓉子の顔ってこんなに魅力的でしたっけ？青い街灯に照らされる正面、横顔。サングラスのスッピン奥さん。DVの痣までも。
どストレートで多めのからみでさえ情感に富む。
家を買う夢、車を買う夢も消え、子供さえもできない。専業主婦の蓉子は夜勤の夫・寺十吾の帰りを迎えに夜の街に立つうちに娼婦への道へ。やがて愛人本多菊雄ができる。
夜中に男と、朝には夫と日に5回。
主婦売春インタビューは殺人者インタビューへ。
蓉子の行動や思考を自分の常識内で処理しようとする平泉。
夫は妻の行動を察知してるようで腐ってないほうの嫌がる妻の後を求める。
殺人事件に巻き込まれたくない愛人の本多。
子供用の金属バットで撲殺するのは大変だし、いい音がする。
墓参りは清潔な気持ちになる。
「結局私は父親のような存在が欲しかった。でもそんな人は世の中に居ない」と語ると平泉のアップの表情を捉えるの良い。でもあくまで紳士な平泉成。
ラスト。インタビューを終え都庁を通って新宿署へ向かう歩き姿を延々と追う長回し。信号待ちの間中、長曽我部容子のアップを捉えるのすごすぎ。
長曾我部容子をまとめて見たくなる。
